法律と会計

財務会計は、多くの利害関係者がいるので、その利害関係者に重大な影響を及ぼす可能性が高いため、日本では法律によって規制を受けることが多いです。このように、法規制によって行われる会計を制度会計と言います。日本では会社法、金融商品取引法、税法によって規制されています。これらは、それぞれ「会社法会計」「金融商品取引法会計」「税務会計」と言われ、この3つ法律が規定する会計制度を下の図のように三角形になることからトライアングル体制と言います。

次に、それぞれの法律の規制がどのようなものであるかを簡単に書いていきたいと思います。

●会社法
会社法では、債権者の保護が主な目的となっています。したがって、会社法では分配可能額の計算に重点を置いています。例えば、会社の経営が危なくなったときに、株主の信用を落とさないために純資産を取り崩して配当するということになると、債権者の最後のよりどころである純資産がなくなり、貸付したお金が戻ってこなくなってしまう可能性があります。それでは、所有者であるはずの株主が債権者よりも優先されるのはおかしいはずです。そこで、会社法ではこのよな利害対立を防ぐために規制しているわけです。このような機能を利害調整機能と言ったりします。

●金融商品取引法
金融商品取引法では、投資家の保護が主な目的となっています。金融商品取引法では、投資家が誤った判断をしないように規制するものが多いです。公認会計士によって監査を必要としているのも金融商品取引法であると言えます。そのために、有価証券報告書などの提出を義務付けをしたりするなど、投資家に正しい情報を提供することを義務付けています。このような機能は情報提供機能と言います。

●税務会計
税務会計では、正しい税額計算が主な目的です。これは、上2つとは違い別に保護を目的としているわけはありません。ただ、税額の計算はちゃんと規制しておかないと平等ではなくなってしまうので、重要ではないかと私は思っています。