人間関係論

人間関係論はホーソン実験にかなり関係しています。ホーソン実験に関しても書いてあるので興味があったら読んでみてください。人間関係論とネットで調べると具体例が載っていることが多いと思います。ホーソン実験とかそうではないでしょうか。ただ、ここでは、なんとなくの流れを書いています。なぜかって言われたら、本がそんな感じだからです。

人間関係論はホーソン実験に関わったメイヨーが根本的理念を確立しました。メイヨーは個人の増加や集団間の対立という社会的解体の兆候の原因を、技術的技能に対する社会的技能の立ち後れに求め、自発的な協働関係を確保するためには社会的技能を発展させて両技能のバランスを回復させる必要があるとしました。
そして、レスリスバーガーがメイヨーが示した人間関係論の理論と、パレードの社会システムの概念を用いて人間関係論の理論的枠組みを確立しました。レスリスバーガーは技術的組織と人間組織に分け、さらに、人間組織を公式組織と非公式組織に分けました。公式組織と非公式組織は相互依存関係にあるにも関わらず、今までの研究では公式組織しか重要視しませんでした。この非公式組織の存在と重要性を指摘ことは人間関係論に大きな功績でした。

これらの理論的結果を踏まえて多くの実践的な人間関係管理の手法を生み出しました。ところが、手法的側面が強調された結果、本来の理念が見失われてしまった感があり、人間関係論は経営者的偏向を示しているとか、労働者操縦論であると批判を受けることになりました。また、人間行動における非論理的・感情的な側面を一面的に強調しているとか、社会経済的基盤を無視しているとか、方法論的厳密さにかけているなどの批判もあります。さらに、満足な労働者=生産的な労働者という根本的な批判もある。このような批判を踏まえて近代管理論や行動科学的管理論が展開されることになります。

アルバイトの経験で言うのもなんですが、最初にやったアルバイト先では、話せる人はいないし正直つまらない職場でしたね。従業員同士の意思の疎通ができていなく、言われたものをやったら怒られるというそんな感じの職場でした。モチベーションも上がらず、共有できる人もいない。精神的にまいってしまったのですぐ辞めてしまいましたね。でも、次のアルバイト先は前のと比べると180度違う職場でしたね。部門の垣根を越えて色々な人とお話させていただいたのを覚えています。後者のアルバイトはかなり続きました。
僕個人としては、この経験があるので、なんとなく身に染みて人間関係論の重要さがよくわかります。後者のアルバイトはここでいう、非公式組織によって楽しくできましたね。

そういえば、人間関係論の批判に「満足な労働者=生産的な労働者」というものがありましたが、自分が経営者の立場であったらそのように思うのは当然ではないかと思いますね。だからこそ、どのようにして労働者のモチベーションを維持するのかが大事なのだと思います。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

ホーソン実験

ホーソンとは1924年から1932年にウエスタン・エレトニック社のホーソン工場で行われた労働者の作業能率とそれに影響を及ぼす物理的な作業条件との関係を明らかにするために行われた調査と実験です。このホーソン実験はその後、人間関係論として展開されました。

・照明実験
最初は照明度と個人の作業能率の関係を調べるために始められました。この実験では、予想と反して作業能率と照明度は関係なく作業能率が上昇しました。他の条件にしても、結果は同じになり、条件を実験前の条件に戻しても作業能率は維持されるという結果がでました。この予想外の結果の現象を調べるために、メーヨーやレスリスバーガーらのハーバード大学の研究陣が実験に加わることになりました。

・継電器組み立て実験
6人の女子工員を対象に各種の物理的作業条件と作業能率の関係を調べましたが、やはり作業能率は条件の変化と関係なく上昇しました。そこでメイヨーは、①作業中の自由な会話が許されたことにより心理的な満足が生じた。②実験に協力しているとという参画意識が生まれた。③自発的グループが発生したことにより会社に対する協力的な態度が生まれた。というように考えました。

・面接計画
監督方法の改善を意図して21,126人の従業員に対し面接を行い、彼らの不平・不満について分析を行いました。その結果、従業員の態度は感情の体系によって支配されており、これらは個人的経歴や社会的組織を通じて形成され、表現されるので、彼らの態度を理解するためには集団的・社会的な全体状況の中でとらえなければならない、ということが明らかになりました。

・バンク配線作業観察
14人の男子従業員を対象うにした観察調査の結果、組織には公式な組織の他に自生的な非公式組織が存在し、これが規範とは別の集団的規範をメンバーに課しており、彼らはその集団規範に従って生産高の抑制をしていることが分かりました。

このホーソン実験にもし自分が関わっていたら、確かに、環境とか関係なく頑張ってしまうと思います。なによりも、この実験に選ばれたことで頑張ってしまいそうですね。
非公式組織(インフォーマル・グループ)も自然とできてしまうし、それは、けっこう強い影響力があります。身近なところにも、たくさんあると思います。。ちょっと分かりにくいかもしれないので、簡単な例を書きますと、学校とかで、自然とグループができていると思いますが、それが非公式組織(インフォーマル・グループ)です。そこには、誰かしらリーダー的な存在の人がいると思います。こういう人をインフォーマル・リーダーといったりします。意外と、こういうリーダーの影響力は大きいんですよね。僕の周りはそうでした。ちなみに、公式組織は先ほど学校を例にしたので学校で例を出すと、グループはクラス全体でリーダーは先生みたいな感じです。会社で考えるのであれば、課とか部とかが分かりやすいと思います。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

モチベーション(マズローとハーズバーグ)

今回はマズローについて書いていこうと思います。マズローはアメリカの心理学者なので心理学で見かけることが多いと思います。私自信は中学生か高校生の時に保健体育の教科書で初めて見たような気がします。名前と下記の図なら見たことがあると思います。

マズローの欲求階層理論というのは、低次の欲求が満たされると高次の欲求が現れるというものです。図の言葉を使って例にすると、生理的欲求が満たされると安全欲求が現れるということです。この低次の欲求は欠乏欲求といい、高次の欲求は成長欲求といいます。この欲求階層は上の高次の欲求に行くだけで低次の欲求に行くことはありません。いったん満たされた欲求は、欲求ではなくなり、再び欲求になることもないのです。このことを「欲求の不可逆性」といったりします。

では、経営学ではこのマズローの欲求階層をどのように使っているかです。このマズローの欲求階層はモチベーション管理に使われています。モチベーションとはかなり簡単にいえば、「やる気」です。このマズローの欲求階層は経営学的にいえば、下記の図のようになります。

下の2つは簡単に分かると思います。正社員になった場合、賃金・労働条件が悪かったり、身分保障・福利厚生がちゃんとしていない会社では働く気がなくなると思います。いわゆるブラック企業のレッテルが張られていそうな会社ですね。帰属意識や人間関係も重要です。分かる人には分かると思いますが、クッキングパパの会社みたいなところは人間関係が良い会社でやる気がでると思います。逆に、人間関係の悪い会社は嫌だと思います。私が聞いた話なのですが、ある会社は、とある支店に配属されると辞めてしまう人が多いらしいです。その原因がかなり人間関係が悪いみたいです。この話を聞いた時に、やっぱり人間関係も重要なのだと感じました。これより上は純粋な動機づけであるといえます。純粋な動機づけという表現だけ聞くと違和感があると思いますが、これはハーズバーグの2要因理論でちょっと説明しようと思います。

ハーズバーグの2要因理論というのは、仕事に対して不満となる要因と仕事に対して積極的になる要因は異なるというものです。仕事に対して積極的になる要因は、仕事そのもの、達成、承認、成長があります。これは、仕事に直接的に動機づけに関係することから「動機づけ要因」といわれています。ちなみに、動機づけ要因はマズローの階層欲求の上2つと関係しているといえます。また、仕事に対して不満となる要因は、人間関係、給与、作業条件、環境などがあります。これらは直接的に動機づけしないので「衛生要因」といわれています。ちなみに、衛生要因はマズローの階層欲求の下から3つになると思います。ハーズバーグの2要因理論は「動機づけー衛生理論」とも呼ばれています。
この2要因理論を考えて、先ほど経営学的なマズローの図の下で書いたことを考えると、それらが衛生要因のことであるというのが分かると思います。

会社がモチベーション管理をする場合、ハーズバーグの2要因理論を意識して作らなければ、ダメそうですね。考えてみれば、給料が低いまま昇進や昇格しても嬉しいと思う人は少ないと思います。いわゆる、名ばかり管理職ってやつですね。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<5>人的資源管理』(中央経済社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)