代表的な3つの組織形態

経営をするには1人で全てをするよりも、作業を複数人で分けて行った方が効率が良かったりしますよね。これを「分業」と言います。しかし、違う作業をやっていては、それぞれを把握できなくなり、逆に効率が悪くなる可能性があると思います。このような状態を解決するために調整しなければなりません。このような調整をすることを「協業」と言います。そして、この2つが作る形態が「組織構造」とか「組織形態」と言います。
今回は、その代表的な3つの組織形態を紹介していきたいと思います。

①ライン組織
ライン組織は1人の上司から命令を受けるようなものを言います。ライン組織の編成原理は「命令一元化の原則」と、管理できる人の人数には限界があるというような「監督範囲の適正化の原則」というものです。この原理にもとづき、組織は規模が大きくなるにつれて階層化されて、ピラミッド型の階層になります。これは、軍隊組織とも呼ばれるみたいです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、イメージ的に言えばこんな感じです。この形態のメリットどデメリットも書いておきます。

メリット
命令が統一しているので、混乱が少ないということ。活動の調整が簡単であること。権限と責任が明確であること。規律や秩序が維持されやすいということがあります。

デメリット
見ても分かる通り、管理者の負担が増大します。また、管理者の育成が難しいこと。意思決定が遅くなってしまうこと。縦のコミニュケーションはとれるが、横とのコミニュケーションが取りにくいため、情報の共有が難しくなってしまいます。

②ファンクショナル組織
複数の管理者が部下に対してそれぞれ異質な業務について、指示・命令をして組織運営する形態をとるものを言います。この時の管理者の持っている権限は、「ファンクショナル権限」といって、自分の専門のことについてのみ、部下に指示をするものです。

ちょっと、図が見にくい気もしますが、ファンクショナル組織はこんな感じです。これも、メリット・デメリットを書いていきます。

メリット
この形態では、専門の人がそれぞれ指示できるので専門能力の活用とその育成ができます。また、1人の上司ではなく、多数の上司が指示をするので、管理者の負担を軽減できます。他にも、多数の上司から仕事を受けるので管理者の育成が簡単になり、情報の伝達や共有がしやすくなります。

デメリット
多数の上司から指示を受けるので、命令の統一が難しく、混乱を招きやすくなったり、規律や秩序が維持されにくなってしまいます。また、活動の調整が難しく、多数の上司の指示を受けるため、権限と責任があいまいになってしまいます。

③ライン・アンド・スタッフ組織
ライン・アンド・スタッフ組織は、ライン組織とファンクショナル組織の良いとこどりをしたような組織です。

これも、分かりにくくなってしまっていますね。実線がライン権限である指示・命令を表しており、点線がスタッフ権限であり、助言やサービスをすることを表しています。したがって、実線はトップとラインからしか出ていないことが分かると思います。そして、点線はスタッフ部門しかでていません。この組織形態のメリット・デメリットも書いておきたいと思います。

メリット
ファンクショナル組織の弱点である命令一元化の組織原理が貫徹し、経営方針の統一性や組織的秩序が保持することができます。また。それぞれの部門が専門化によるメリットつまり能率の向上や専門的知識の深化によって組織に蓄えられている知的財産が増大し、競争優位を確保できます。

デメリット
ラインとスタッフの権限・責任関係がうまく調整されないと組織としての統一性に支障をきたす恐れがある。また、企業規模が拡大し、業務が複雑になり、事業部門が多岐にわたってくると規則を作り、組織的に統一性を保とうとするあまり組織は硬直化し、官僚的になってしまい、柔軟に欠ける事態となってしまいます。

企業組織には、他にも色々な形態があります。それは、また次回書いていこうと思っています。この3つの形態は本当に基礎です。まぁ、図も見にくくなってしまったし、ちょと分かりにくいかもしれません。でも、なんかの助けになれば良いと思うし、なによりも、ちょっとしたリハビリ的に書いているので今回はこんな感じになってしまいました。

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参考文
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)