友人からのリクエストもあり、デリバティブについて書いていきたいと思います。デリバティブについてはまとめて書くと、大変な文字数になってしまうと考えられるので、分割してちょっとずつ書いていきたいと思います。また、ここではデリバティブについては基本的な事というか、初歩の初歩程度のレベルなので、あまり期待しないでください。導入には良いかもしれませんが、本気で勉強したい人は詳しく解説しているHPや本があるのでそっちをやった方が良いと思います。ちなみに、完全に私事ですが大学の講義で学んだのがオプションと先物なのでこの2つを中心に書いていこうと思っています。
今回は、そもそもデリバティブって何なのかってことを分かりやすいように歴史について書いていきます。
①オプション
歴史を見る前に、定義を知っていた方が分かりやすいと思うので先に定義を書いておきます。オプションの定義は「ある将来の日に、あらかじめ約束した値段でモノを買う(売る)ことのできる権利である」(大学の講義より)です。これを意識しながら歴史について見てみようと思います。
オプションの歴史はB.C.600年ごろのターレスという哲学者のオリーブの話が最初だと言われています。ターレスは貧乏だったため「哲学は何にも役に立たない」と非難されていました。そこで、ターレスは天文学を利用して次の年のオリーブが豊作になることを予想して、オリーブ搾油機をあらかじめ多くの所からオリーブ搾油機が必要になる時期に値段を決め借りる権利を買っておきました。そして、予想通りオリーブが豊作になるとオリーブ搾油機の需要が拡大し、貸出料高くなります。ターレスは事前に約束された値段で借りることができ、それを借り入れた金額よりも高い金額で貸し出すことで莫大な利益をあげ、金持ちになることが簡単であることを証明しつつ、金持ちになることに関心がないことを示した話です。
これをオプションに定義にあてはめて考えると、まず、「ある将来の日に、」というのはオリーブ搾油機が必要になる時ですね。そして「あらかじめ約束した値段でモノを買う(売る)ことのできる権利」というのは「買う」となっていますが、これは借りる権利でも当てはまると考えられるので、豊作かどうかわからない時に借りる値段を決めて、その値段で借りる権利を買っているところに当てはまると考えられます。
こう考えてみると、ちゃんと定義に当てはまっているので、最初のオプション取引なんて言われています。オプションに関しては、16世紀のチューリップの話も有名ですが、例なんて1個あれば大丈夫だと思っているので、書きません。気になる人は調べてみると面白いかもしれませんね。
②先物
先物についても、最初に定義を書いておきたいと思います。先物の定義は「あるモノを、将来のある日に、あらかじめ決められた価格で買う(売る)約束」(大学の講義より)というものです。
先物取引の起源は、日本にあります。1531年にベルギーで行われていたと言われていますが、そこで行われたのは現物取引の先渡取引で、差金決済を含んだ先物取引については日本の大坂(阪)の堂島米会所が起源で、1730年代に徳川吉宗の命により大岡越前が米の先物市場(帳合米取引)を整備したと言われています。帳合米取引の事を先物市場とちょっと難しく言っていますが、簡単にいえば米の売買価格を収穫前にあらかじめ決める取引のことです。
この時の日本における経済の基盤は「米」です。そして米市場は重要な流通市場でした。市場が大きくなると米俵で取引していては大変だったと言うことで、「米手形」を発行したのですが、価格の変動が問題となったのです。米手形を発行した時と実際に米と引き換えるときの相場が異なってしまうので価格の変動の問題が起きました。この問題を解決するために考え出されたのが先物取引です。ここで考えだされた取引を「つめかえし取引」と言いますが、つめかえし取引に関しては、先物について書く時に解説していこうかと思います。
このように書くと、ちょっと分かりづらいですね。つめかえし取引を解説しないと掴めないかも知れません。とりあえず、簡単に言ってしまうと「将来どうなるか分からないけど、先に値段を決めちゃって取引しようぜ」って感じですかね。定義をみて考えるならば「あるモノを」って言うのが、米です。そして「将来のある日に」って言うのが実際に米と引き換える時で、「あらかじめ決められた価格で買う(売る)約束」というのが、米手形の値段と考えるのが良いと思います。
さて、オプションと先物について歴史的なところを見てきましたが、もしかしたらオプションと先物の違いが良く分からない人がいると思います。そこで、ちょっとだけ補足をしておきます。とりあえず、ここでは買う側についてだけ書いておきます。売る側も一緒に書くとややこしくなるので今回はやめておきます。まぁ、そう思うのは私が馬鹿だからかもしれませんが・・・。
オプションは権利を買うだけなので、もし、その金額で買うと損をしてしまうならば、権利を捨てることができます。権利を買った時の費用分はマイナスになりますが、それ以上損をすることはありません。しかし、先物は決められた値段で将来買う約束です。つまり、絶対にその値段で取引しないといけなくなります。こうなると、下手したら損はいくらでも膨らんでしまいますね。このように、オプションは権利で、先物が義務というところに大きな違いがあると言えます。
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今回の内容は大学の講義を基にしている関係で参考文献はありません。