為替と輸出入

先日、大学時代の友達と為替と輸出、輸入の関係の話になって、ちょっと上手く説明できなかったのでこれをテーマに書いていこうと思います。
まず最初に円高と円安について書いておきます。初めてやるとちょっと分からなくなってしまいますが、私なりの解釈を書いておきます。

円安と円高というのは、基準となるものと比較してその価値が高くなったか、安くなったかを考えるものになります。よく為替で出てくる基準となるものはドルですね。ここでも、ドルを基準で考えていきますが、円安か円高を判断するには基準と比較して考えます。仮に、ここでは1ドル=100円を基準として書いてきましょう。

円高→1ドルが100円未満になったケースです。例えば、1ドル札を100円玉を交換するとき1ドル=100円ならば普通に交換できます。しかし、1ドル=90円のように100円未満になると、1ドル札と100円玉を交換するときに1ドルが90円で交換できますので10円のお釣りがくるようになります。つまり、このケースだと10円分、円の価値が高くなったことになります。これが円高です。

円安→1ドルが100円より高くなったケースです。今度は1ドルが110円になった時の話です。1ドル札と100円玉を交換しようとしても1ドルの価値は110円となっていますので、交換できません。10円不足しているからです。10円不足しているってことは100円の価値が1ドルと比べて安くなってしまっているということになります。これが円安です。

円安と円高をざっくりと復習したところで、本題に入っていきましょう。ちなみに、ここで書くのは本当に基礎的なことで深いところは書きません。あくまでも、円高・円安になったら輸出入はどのような影響があるのかってことを書いていきたいと思います。深く書いてしまうと、金利とか物価とか株価とかその辺まで書かないといけなくなるからです。レベル的に言えば中学とか高校レベルかもしれませんね。ただ、需要(どれくらい求められているか)というのはちょっと絡んできますので、なんとなく頭に入れておいてください。

なお。ここでは、円高・円安で分けてかくのではなく、輸出をしている会社と輸入をしている会社で分けて書いていきたいと思います。また。例で出している金額はどんなとらえ方をしてもかまいませんが、個人的には合計で支払う金額という意味で書いています。

〇輸出をしている会社
●円高
輸出をしている会社は、例えば自分が作ったものや日本で仕入れたものを海外に売っています。その時に、円ではなく、ドルでやりとりします。例えば、10万ドルの売上があった場合、1ドル=100円ならば日本円で1千万円の売上になります。しかし、この時1ドル=100円だったものが1ドル=90円になってしまうと、1千万円だったはずの売上900万円になってしまいますよね。だからと言って、その分を値上げをしようとすると、需要が減ってしまうことになりますし、他の仕入先を探しはじめたりします。この需要が減ってしまうのは感覚的に分かると思います。誰だって、値上がったら買うのを控えると思いますからね。だから、円高になってしまうと輸出をしている会社はマイナスの影響を受けてしまいます。

●円安
今度は円安についてです。円安になると、円高の時と逆になるので、1ドルが110円になると10万ドルの売上があった場合、1千万円の売上だったのが円安になったことで1.1千万円の売上になります。そうなると売上が100万円増えることになりますし、さらには相手国にとっては安くなりますので需要も増える可能性もあります。したがって、輸出をしている会社にとってはプラスの影響がありますね。

〇輸入をしている会社
●円高
次は、輸入している会社について考えてみます。輸入をしている会社は海外から商品などを仕入れてそれを販売したりしている会社ですね。今度は10万ドルの商品を仕入れたとします。1ドル=100円だった場合、1千万円支払うことになります。ではこの時に1ドル=90円になったらどうでしょうか。1千万円で仕入れていた商品が900万円になります。そうなると、実質100万円プラスになります。そして、これをお客様に還元するという意味で「円高還元セール」なんて良くやってますよね。そうすると、安くなったことで需要が増えます。このように考えると輸入をしている会社はプラスになります。

●円安
では、円安の時はどうでしょうか。1ドル=100円が1ドル=110円になってしまうと、今度は1千万円で仕入れていた商品が1.1千円になってしまいます。同じ商品なのに100万円も多く払わなくてはいけなくなります。だからと言って、値上げしてお客様に負担させるようになれば、今度は需要が低下する可能性が高く、なかなか大きな値上げはできません。したがって、円安はマイナスの影響がとても大きいですね。

為替と輸出入について、自分なりに簡単に説明するならばこんな感じでしょうか。もっと詳しくやるのであれば、為替の決定要因や価格設定についてなど、経済学的な勉強が必要になってきます。また、このような為替のリスクにそなえるために、デリバティブ取引を行いリスクヘッジをするというようなこともあります。デリバティブについては書いてあるので興味があれば読んでみてください。

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参考文献
・仲俣汐里・菅下清廣著『AKB48でもわかる経済の教科書』(青志社)
・藤田康範著『よくわかる経済と経済理論』(学陽書房)