ロバート・ケリーのフォロワーシップのタイプ

今回は最近読んでちょっと面白いと感じたロバート・ケリーのフォロワーシップのタイプについて書いていこうと思います。

ロバート・ケリーはフォロワーシップについて明らかにするために、700人を超える人たちに最高のフォロワー・最低のフォロワー・典型的なフォロワーに分けてインタビューを行いました。その結果、フォロワーシップには2つの軸があると見出しました。

1.クリティカル・シンキング・・・リーダーがとろうとする行動を無批判に受け入れるのではなく、独自の視点で考えているか

2.積極的か消極的か・・・自らの考えたことにイニシアチブを取り、積極的に参加し、自発的に担当業務以上の仕事をしているか

この上記の2つの軸です。この2つの軸を基に「実務型」「順応型」「孤立型」「消極的」「模範的」の5つのフォロワーに分類しました。どんな人がどのタイプになるか1つ1つ特徴を書いていきたいと思います。ちなみにパーセントの数字はフォロワー全体で何%ぐらい存在するかっていう割合です。

実務型フォロワー(25%~35%)
リーダーの決定に疑問をはさみますが頻繁でもないし、批判的でもない人です。良い仕事はしたいとは思っており要求された仕事はこなしますが、冒険はせず失敗を避けたい人です。

順応型フォロワー(20%~30%)
リーダーの命令を受け、権威に従い、リーダーの見解や判断に順応することが義務だと考えています。自分が歯車の1つのであることや上に誰かがいることが心地良いと思っています。

孤立型フォロワー(15%~25%)
独自のクリティカル・シンキングを持っており基本的に有能ですが、リーダーに対して辛辣な批判をします。役割を果たすのに消極的で周囲から浮いた存在になっていき、自分を取り巻く環境を居心地の悪いものにしてしまいます。

消極的フォロワー(5%~10%)
考えることを完全にリーダーに頼り、仕事に対する情熱やイニシアチブ、責任感に欠け、与えられた仕事も指示がないとできず、自分の担当業務を超えることはしない人です。

模範的フォロワー(3%程度)
独自のクリティカル・シンキングを持ちリーダーやグループを見極め、自主的に行動します。リーダーや同僚たちから見ると「独立心が旺盛で、独自の考えを持ち、革新的かつ独創的で、建設的な批評を生み出し、リーダーに物おじせず接する人物」と映る人です。組織の抵抗があっても、組織の利益ために積極的に取り組み、リーダーや同僚をサポートし、守備範囲以上の仕事をこなします。

私がこのフォロワーのタイプを初めて勉強をしたときに自分の会社の同僚を考えてみたら、ほとんどの人がどれかしらのタイプに当てはまっているから面白かったんですよね。ちなみに、図表にすると下図のようになります。この内容を勉強をすると大体のテキストには書いてあるものです。

自分はこのタイプだって思えるものもあると思いますので1回はそれを考えてみるのも面白いかもしれませんね。個人的にはこのフォロワーのタイプって生まれつきの性格と今まで育った環境によって基本的な考え方は決まってしまいそうな感じがします。
ただ、何かきっかけがあるとフォロワーのタイプが変わることもあります。ネガティブな方向になりますが、実は「孤立型フォロワー」は元々「模範的フォロワー」だったことも良くあることみたいなので。

基本的には模範的フォロワーを目指しましょう!と言うべきかもしれません。ただ、先ほどもちょっと書きましたがこのフォロワーのタイプって性格や育ってきた環境によってある程度決まると思うので、仕事に対する根本的な考え方を変えないと変わらないと思うんですよね。それが大きく変わる「きっかけ」が必要だと思いますが、ネガティブな考え方になってしまうきっかけはいくらでもある感じがしますが、模範的フォロワーになるようなポジティブなきっかけは何か「縁」みたいな感じで中々ない感じがします。

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参考文献
グロービス経営大学院編著『MBAリーダーシップ』(ダイヤモンド社)
西之坊穂著『日本の組織におけるフォロワーシップ』(晃洋書房)