今回は多角化について見ていこうと思います。企業が多角化戦略を考えた時にどんな理由で多角化をするのでしょうか。調べると色々出てきますが、とりあえず持っている参考書の中で1番数が少ないって理由だけですが、下記の3点に絞って書いていこうと思います。
・範囲の経済
・リスクの分散
・成長の経済
範囲の経済
まずは範囲の経済についてです。企業が持っている経営資源を新しい製品や事業に活用する多角化は相乗効果が得られる可能性が高いです。既存事業との接点がある新事業は1から行うよりも既に持っているノウハウなどを生かすことができれば費用を抑えることができます。この費用的なものがこの範囲の経済を簡単にイメージして頂くならこれが分かりやすいと思います。
リスクの分散
次はリスクの分散です。多角化を行う一番の理由はこれだと思います。例えば、経営資源を1つに集中的に投資していた場合その事業が衰退してしまった場合、企業の存続さえも危うくなる大きなリスクがあります。そのため多角化することでそのリスクを分散するという目的で行います。
成長の経済
成長の経済は、成長すること自体がもたらす経済的メリットです。多角化することで成長するプロセスが生まれます。その時に必要な労働力を若い人で補給したとき、人件費が平均して下がるなどコスト構造が変化したり、そもそも多角化することによって企業が成長することを実感できれば心理的なエネルギーにもプラスに働くなどが成長の経済の源泉となったります。
この多角化をする時に技術とか流通チャネルとかを生かしながら関連した多角化を「関連型多角化」と言い、関係ない多角化を「非関連型多角化」と言ったりします。
この多角化をする時に注意するべき事があります。まず事業領域を明確にする必要があります。多角化は経営資源を再配分する関係で事業構造の分散の可能性もあります。ですので多角化の意義や位置づけを明確にする必要があります。その時にシナジーを活用できるかどうかも確認できれば良いかもしれません。
また、多角化をする上で意外とネックになるのは変化を恐れる企業体質だったりします。まずはそれを受け入れる体制づくりから始めないといけないかもしれません。そして、経営資源が多角化に耐えられるかどうかも確認する必要があります。
最後に参考ですが、多角化を考えるうえでなんとなく基礎知識としてあった方が良いものを前のブログで書いてあるので一応貼っておきます。
上記は製品ライフサイクルの説明ですがそれを事業に置き換えてもらえると参考になると思います。
また、事業領域を考えるうえで下記のブログも参考になると思います。
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参考文献
・某大手通信教育講座中小企業診断士テキスト
・綱倉久永・新宅純二郎著『経営戦略入門』(日本経済新聞出版社)