人事異動

 今回は私が人事異動があり仕事内容が大きく変わったこともあったので人事異動について書いていこうと思います。

 なぜ人事異動が行われるか考えてみよう思います。よく言われるのは「ジョブローテション」というものですね。このローテーションをするのはどんな意味があるのでしょうか。そんなところを簡単に書いていきたいと思います。

●不正の防止
 これは役所や銀行に多いと考え方だと思います。同じところに長くいるとお客さんとの馴れ合いができる可能性もあり、いわゆる抜け道なども分かる可能性があります。このような事が起きてしまうと不正ができてしまいます。これを防止や早期発見を目的の1つとして異動させることがあります。銀行などの金融機関では支店などをかえる転勤のパターンが多いイメージがありますね。ただ、私は金融機関に勤めているわけではないのであくまでもイメージです。

●過度の専門化の抑制
 この専門化については、個人的には悪くはないと思っています。その仕事の分野について専門性をもって対応できるのはお客さんにもメリットがあることだと思います。ただ、この場合の過度の専門化というのはいわゆる属人化の事だと考えられます。
こうなってしまうと職務転換が難しくなってしまったり、昇進の経路も制約されてしまう可能性があります。

●人的ネットワークの形成
 人事異動があると部門や職場が変わることによって、多くの人とつながることになります。このように形成された人的ネットワークは公式的な情報伝達経路を補完するような動きをします。

●適性の発見
 ジョハリの窓があるように本人・上長・人事担当者でも分からないことあり、仕事のマッチングが上手くいかない事があります。そして、ミスマッチ状態で評価されてしまうと他の能力が高くても低評価状態が続いてしまう可能性があります。そこで異動させて色んな仕事を経験させることで能力を活かせる仕事を発見することができます。

●インセンティブ効果
 異動には昇進が伴うことがあります。この場合はもちろんインセンティブ効果があるといえます。また会社には花形部署があったりしますが、その部署への異動になったり支店から本店に異動になった場合は「栄転」と言ったりとインセンティブを働かせる機会にもなります。逆にいえば、窓際部署に異動させたりと左遷させればその分インセンティブを意図的に下げることもできると個人的には思っています。

●異種混合による組織の活性化
 長く同じメンバーで仕事をしていくと最初は異質な集団でもインフォーマル集団を形成されていき、同質化し始めます。そうなると居心地が良くなり馴れ合いも生まれていき、集団としての活力が低下していくことがあります。異動にはそのような居心地の良さや馴れ合いに緊張感を持たせ、組織の新陳代謝を促し集団としての活性化に貢献することができるとされています。

 人事異動にはこのような効果があると言えます。ここからはかなり私見が入りますが、私が異動になって気付いたことを書いていきたいと思います。内容的には私の戯言なので読まなくても大丈夫です。

 私の働いている会社はそんな大きな会社ではなく、私がいた部署はちょっと人数不足感がありました。そして、その部署で雑用的なことをやっていた私にちょっと仕事が集中していた感があります。一応、担当のお客さんがいながらも同僚のお客さんのフォローにも入り、部内経理的なこともやっていました。そして、もともと高校が情報処理科だったこともあり仕事で使うソフトウェア関係のトラブルや問い合わせも私が対応するという感じです。
 ただ私の仕事が集中してしまう原因がフォローをしているというものですので私が異動になってもそんなに影響がないと思っていました。しかも私が抜けたあと、私がいた部門には2人補充されています。
 今まで私がいた部署ってどちらかというと花形部署で空気も悪くない環境だっと思います。私がそう思っているだけかもしれませんが・・・。確かにほとんど同じメンバーで、別の部署が一緒になったりしてはいますが前の部署は7年間ぐらい所属していましたが入れ替わりの人事が1回あったぐらいです。ちなみにその時の異動でも少し変化はありましたが少し仕事の分担が代わっただけで大事にはなってなかったと思います。
 これは私が異動になってから気付いたのが同僚が私がフォローするのを前提にして仕事を組んで営業に出かけていたことと、私にとって片手間でやっていた仕事が意外と重かったことです。
 先ほど書きましたが、今まで私がいた部署って空気は悪くなくて他の人が羨ましがるようるな部署だったと思います。ただ私が抜けてまだ慣れていないのが原因かもしれませんが、その部門の人たちの余裕がなくなってしまいピリピリした空気が常に流れてしまっているような部署になってしまいました。
 さらにいえば、前回の異動のときは少し仕事の分担が代わっただけでしたが、私の異動では上長の判断で仕事の分担というか体制が大きく変わりました。これは驚きましたね。私自身が色々やっていましたが、それを片手間でやっていたように見えたのがいけなかったのかもしれないとちょっと反省しています。引き継いだ人たちが本当に大変そうです。

 私が異動になってからこんなことに気付きました。この体験をジョブローテションの意味を考えながら改めてみると、ジョブローテションを考えるときに長く同じところにいた組織としてのデメリットの部分が思いっきり出ている気がします。ただ、逆に言えば、これからは前にいた部署が活性化していくのではないかと期待できる気がしますね。

 ちなみに私が異動した先はもともとは空気が悪いと言われていた部署ですが全然そんなことがなく、個人的には仕事量も減り働きやすい環境になった気がします。

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参考文献
・伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)

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