モチベーション(マズローとハーズバーグ)

今回はマズローについて書いていこうと思います。マズローはアメリカの心理学者なので心理学で見かけることが多いと思います。私自信は中学生か高校生の時に保健体育の教科書で初めて見たような気がします。名前と下記の図なら見たことがあると思います。

マズローの欲求階層理論というのは、低次の欲求が満たされると高次の欲求が現れるというものです。図の言葉を使って例にすると、生理的欲求が満たされると安全欲求が現れるということです。この低次の欲求は欠乏欲求といい、高次の欲求は成長欲求といいます。この欲求階層は上の高次の欲求に行くだけで低次の欲求に行くことはありません。いったん満たされた欲求は、欲求ではなくなり、再び欲求になることもないのです。このことを「欲求の不可逆性」といったりします。

では、経営学ではこのマズローの欲求階層をどのように使っているかです。このマズローの欲求階層はモチベーション管理に使われています。モチベーションとはかなり簡単にいえば、「やる気」です。このマズローの欲求階層は経営学的にいえば、下記の図のようになります。

下の2つは簡単に分かると思います。正社員になった場合、賃金・労働条件が悪かったり、身分保障・福利厚生がちゃんとしていない会社では働く気がなくなると思います。いわゆるブラック企業のレッテルが張られていそうな会社ですね。帰属意識や人間関係も重要です。分かる人には分かると思いますが、クッキングパパの会社みたいなところは人間関係が良い会社でやる気がでると思います。逆に、人間関係の悪い会社は嫌だと思います。私が聞いた話なのですが、ある会社は、とある支店に配属されると辞めてしまう人が多いらしいです。その原因がかなり人間関係が悪いみたいです。この話を聞いた時に、やっぱり人間関係も重要なのだと感じました。これより上は純粋な動機づけであるといえます。純粋な動機づけという表現だけ聞くと違和感があると思いますが、これはハーズバーグの2要因理論でちょっと説明しようと思います。

ハーズバーグの2要因理論というのは、仕事に対して不満となる要因と仕事に対して積極的になる要因は異なるというものです。仕事に対して積極的になる要因は、仕事そのもの、達成、承認、成長があります。これは、仕事に直接的に動機づけに関係することから「動機づけ要因」といわれています。ちなみに、動機づけ要因はマズローの階層欲求の上2つと関係しているといえます。また、仕事に対して不満となる要因は、人間関係、給与、作業条件、環境などがあります。これらは直接的に動機づけしないので「衛生要因」といわれています。ちなみに、衛生要因はマズローの階層欲求の下から3つになると思います。ハーズバーグの2要因理論は「動機づけー衛生理論」とも呼ばれています。
この2要因理論を考えて、先ほど経営学的なマズローの図の下で書いたことを考えると、それらが衛生要因のことであるというのが分かると思います。

会社がモチベーション管理をする場合、ハーズバーグの2要因理論を意識して作らなければ、ダメそうですね。考えてみれば、給料が低いまま昇進や昇格しても嬉しいと思う人は少ないと思います。いわゆる、名ばかり管理職ってやつですね。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<5>人的資源管理』(中央経済社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)

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