会計上の判断をや財務諸表の作成を企業と出資者のどちらを中心でやるかという問題があります。これは、会計主体論といって、代表的な2つの見解として、企業主体理論と資本主理論があります。
○企業主体理論
企業主体理論とは、会計の主体を企業そのものとするものです。出資者などの利害関係者とは別個に考えるというもので、株式会社などの所有と経営が分離されている企業などが、このような考えに適合しているものといえます。
また、企業主体理論では会計が企業を主体としているので、利益も企業のものであると考えます。したがって、企業の中で決定された配当額のみが資本主に帰属していることになります。
資産・負債・資本の関係も重要なところだと思うので、ちょっと書いていこうと思います。資産は企業資本の運用形態を表しています。そして、負債と資本は資金の源泉であり、この2つの違いは調達の仕方です。負債は他人資本というもので、いわゆる借金的なものです。資本は借金ではなく、出資者からの資金など、純粋な会社のお金のことです。
そして、資産・負債・資本の関係性は、負債や資本で集めた資金を、どのように運用していくか(資産)なので「資産=負債+資本」という、貸借対照表式に表されます。
○資本主理論
資本主理論は企業を出資者の集まりとして見る考え方で、会計の主体を資本主と考えます。これは、企業を経営している人と出資者が同じであると考え、個人企業がこの考え方に適合しているといえます。そして、利益は経営者=資本主なので利益が発生時点で資本主に帰属することになります。
こっちも資産・負債・資本の関係を書いていこうと思います。こっちでの資産は資本主にとってプラスの財産です。そして負債は資本主にとってマイナスの財産です。この資産から負債を差し引くと、企業の純粋な財産が出ます。これが、資本です。そして、この資本はすべて資本主に帰属します。これは「資産ー負債=資本」という、資本等式に表すことができます。
この2つの考え方は、もしかしたら日商簿記1級などで出るかもしれませんが、会計学の論文を書かない限りはいらないような気がする内容ですね。あくまでも、僕の勝手なイメージですけど。ただ、配当金の取り扱いなどは、この2つの考え方によって変わってしまうので、本当に学問としてやる場合は結構重要なものかもしれません。
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参考文献
今回は、大原簿記専門学校の会計士講座の教科書を参考にしました。
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