就職活動を終えて②

1部では就職活動を通して感じた学生視点の思ったことを書いてきました。就職活動を通して感じた今の就職活動の問題点について書いていきたいと思います。ここでは1部で書いた思ったことではなく、もっと広い意味での就職活動についてです。また、内容的に教育についても少し触れることになり、先に言っておきますが、現在就職活動をしている人にとっては全くもって参考にはならないです。なぜなら、ここでは社会問題として考えたいと思っているからです。

 

 まず、マニュアル化された就職活動になっていることが挙げられると思います。就職活動に関しての本がたくさんあったり、就活塾というのがビジネスになっていることに問題があると私は考えています。冷静になって考えてみれば分かるのですが、例えばESの書き方の本で「こう書けば、通る」といって実際に通ったESの例が乗っていたりする本があります。大企業などが大量に採用するうえで、多くの人がマニュアル本を参考にして書いていると思うので、マニュアルによって書かれたESの多くがなります。その中から企業は採用者をきめていると考えられるので、必然的にマニュアルによって書かれているものが多く通っているのではないかと考えられます。これは面接でも同じことが言えるとおもいます。また、私としてはここに一番疑問を感じているところですが、性格検査の攻略本が出版されているということです。確かに志望する企業に内定をもらうにはあると便利かもしれません。しかし、よくよく考えてみると、その人がどんな性格かを知りたいから企業は性格検査をやっているのに、攻略本で偽りの性格を作れるのならば、性格診断をやる意味がなくなってしまいます。なにも知らないで行うからこそ、その人の性格をある程度分かるものです。やってみると分かるのですが、診断結果はビックリするほど当たります。だからこそ、企業も参考にするのに攻略本で偽りの性格で通ってもその企業と合わなかったということがもしかしたら起こるかもしれません。根拠はないですが、こういうところも雇用ミスマッチを作っているのではないのかと思います。

 

 次に高卒と大卒の扱いについてです。業種によっては必要なものもありますが、例えば「仕事は入社したら、教育するので大丈夫です」というところがあります。そのようなところだったら高卒でも良いのではないかと感じてしまいます。大学に進学して遊んでばかりいる人と、高卒では価値としてそんな変わらないと考えているからです。しかも高卒で就職して4年間働いても、入ったばかりの大卒の給料の方が高いという現象にはいつも疑問を感じています。あきらかに4年間働いている人のほうが戦力になるのに大卒の方が給料が多いのでは、やる気を失わせてしまう可能性があり、もしかしたら生産性を低くしてしまうかもしれません。企業がどう考えているか分からないし、もしかしたら制度的なものもあるかもしれないけど、大卒が優遇されすぎているのは常々感じます。ただ、学生の立場からすると良い気はしますけどね。そして、今の時代は大学生が一番多様な人材が集まるので優秀な人材も多いかもしれません。

 

 大学が優遇されているというように書きましたが、今度は大学についても考えみたいと思います。私としては、今の日本の大学は就職予備校化していると考えられます。これは仕方ないことだと思いますが、国の方針として学生にはもっと勉強させたいみたいですね。しかし、日本の最終目標が就職することで、明確な目的なあって大学受験をしている人はそんなに多くないのではないかと思います。例えば、私がいるような会計学科にも簿記が嫌いな人がいるし、私の高校では指定校ということもあって、学部なんてほとんど考えないで大学に進んだ人も中にはいます。さらには、就職が有利になるってだけで大学に進んだ人もいると思います。このような人たちに、いくら勉強しろっていってもするはずがありません。よく外国の学生と比較されますが、詳しくは分からないが、大学に行く目的が違うと思うのでそれは当然の結果ではないかと私は思っています。だから、勉強時間でいったら専門学校に通っている人の方が多いと思います。私は会計士受験のためダブルスクールで専門学校にも行っていましたが、その時の勉強時間は大学と専門学校の授業があっても1日5時間以上は勉強していたと思います。それは目的があって学校に行っていたからです。最近、大学の入試方法変わるというニュースがあったと思いますが、根本的に「大学とは何か」を考え直さないとダメだと個人的には思います。

 

 もし、このまま就職予備校化している大学にしながら学生に勉強をさせるにはどうすれば良いかをちょっと考えてみたいと思います。先に断っておきますがこれは就職活動でなかなか決まらなかった学生が考えることなので、いささか幼稚な発想かもしれません。

 まず、就職サイトを使った就職活動は人気がある企業はとんでもないエントリー数になっています。入口を広げすぎると優秀な人材も見逃す可能性が高くなってしまいますので、入口を狭くする必要があると思います。例えば、この企業にエントリーするには3年生の前期の時点で何単位以上取得していないとエントリーをできなくしたり、学部を絞るなどです。学部を絞るのは特に理系のものではあると思いますが、文系には少ないと思います。また、単位に関しては単位が取りやすい大学と取りにくい大学で不公平だという人もいると思いますが、国が決めている基準でちゃんと単位を出しているので問題はないと思います。そうすれば、学生は希望の会社の単位を目標として勉強するようになると思います。さらには欲しい学生を特定するようにESの代わりに課題を与え、他の人にも影響してしまいますが、他者からの紹介状的なものを提出してもらえば良いと思います。そうすれば、学生は無駄にエントリー数を増やさず、本当に行きたい会社を絞って就職活動をするようになると思うからです。

 

 私は今の就職活動にはこんな問題点を感じました。雇用ミスマッチを生まないためにも先ほど書いたような工夫をしている企業もあります。就職活動は当たり前ですが、企業によって行われています。ネット就活にも色々問題が起きてきているので、これからは見直すべき段階にきているかもしれませんね。

「就職活動を終えて②」への4件のフィードバック

  1. おはようございます。
    大学卒業後、10年以上たっているものです。
    若いのに自分の意見をしっかりともっているのは
    すばらしいと思います。疑問を持つとか自分の
    意見を持つというのは今後大切になりますよね。

    大学は学業以外の領域も行うことで自立することが一番大切であり意識することだとおもっています。
    私は大学卒業しましたが、今になって思えば課外活動をやっていて良かったと思っています。もちろん学業が学生の本分ですからしっかりするというのが前提です。大学がなぜ大切かというと、会社で働き始める前にさまざまな、人間成長を自分の力で行う場所と期間だからです。意識していないかもしれませんが、高校卒業して会社に入るのと、大学卒業して入るのではやはりその後の伸びしろといったところが違うのではないかと思います。人間性というか人生経験が少しちがうし、ある程度自立しているかどうかが全く違います。

    そういったことも含め、大学時代は勉強だけでなく課外活動(サークル、アルバイト、社会経験)も行う次官が多くあり、その中にその後の人生を自立して歩むすべが含まれていると思います。そこが大学にいくということの意味であるとも思います。もちろん、学業に励むのは大切であり、単位を取得していくのも大切です。しかし、働き始めてからも勉強は続くし、むしろ勉強はずっと続くと思ったほうがいい。大学時代のサークル活動やその他の課外活動はその時しか行えない貴重な期間だと個人的には思います。

    以上

  2. ディエゴさんおはようございます。
    コメントありがとうございます。初めてなのでちょっとびっくりしました。

    私がまだ学生で、学生視点でしか考えられなかったので、自立することが大切であるというのは考えたことありませんでした。私自身も大学で色々な経験をしとても良かったと思っているので、そこも大学に行くメリットだと思っています。本文を読むと今の大学を批判しているように感じるかもしれませんが、個人的には色々なことができる今の日本の大学について、そんなに否定はしていません。

    また、ディエゴさんは大学を卒業して10年以上たっているということで、伸びしろとどの程度自立しているというのか分かる立場である人だと思います。私は商業高校出身であり、友人の半分以上が高卒で就職しました。その友人と飲みに行って出る愚痴が「大卒が全然使えないのに、給料が自分たちよりも高い」というものだったので、高卒と大卒についての疑問が生まれました。でも、大学は多くの経験ができるので、人間性を高められる貴重な時期なんですね。

    このような大人の意見は初めてだったので、とても参考になる意見でした。ありがとうございます!

  3. 同感です。司法修習生にもあてはまります。
    修習も就職予備校化しておりますし、法律事務所側も見る目はありません。
    結果、早く辞めるイソ弁が沢山います。

  4. 「司法修習生です」さん、コメントありがとうございます。
    私はこのコメントで司法修習生というのを初めてしりました。司法試験という難関に資格に合格した後に司法修習生になるんですね。とういうことは、司法試験に合格されたということですね。すごいです。

    修習も就職予備校化しているということですが、やはり、最終的な目標を就職としてしまうと、どうしても雇用ミスマッチを生む原因になってしまうみたいですね。
    コメントを読んで、普通の民間企業と同じ現象が法律関係の場でも起きているなんて思ってもみませんでした。

    やはり、就職するならば自分に合ったところ探すのがどんな人も共通して大事なところかもしれません。また、就職予備校化は良い部分もあるとは思いますが、大学だったら学問など、核は見失わないでほしいなと私は思います。学生である私にはどうする事も出ませんが・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です