今回はリース取引について書いてみようと思います。会計基準を開いてみると「リース取引とは、特定の物件の所有者たる貸手(レッサー)が、当該物件の借手(レッシー)に対し、合意された期間(リース期間)にわたりこれを使用収益をする権利を与え、借手は、合意された使用料(リース料)を貸手に支払う取引をいう。」となんだか小難しく書いてありますが、簡単に言えば「貸手」はモノを貸すことによって利益を出して、「借手」てはその使用料を払うって感じです。
このリース取引には2つの分類に分けられています。ファイナンス・リースとオペレーティング・リースというものです。違いは一定の条件に当てはまるものをファイナンス・リースと言い、その他の取引をオペレーティング・リースに分類されています。本とか読んで、その他のってざっくりしてるなって思っていましたけど、実際の会計基準を読んでみると、そこに「『オペレーティング・リース取引』とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引をいう。」と書いてありました。だから本にもそう書いてあるんだなって思いましたね。
それでは、ファイナンスリースの一定の条件の中身を書いて行こうと思います。ファイナンスリースの以下のような条件があります。
・リース契約の途中契約できない取引(解約不能の条件)
・リースするモノの経済的利益と使用コストが実質的に借手側に帰属するもの(フルペイアウトの条件)
この2つの条件に当てはまるリース取引をファイナンス・リースと言います。さらにファイナンス・リース取引は契約の条件によってさらに2つ分類されます。その契約条件は以下の3つになります。
・契約期間の途中もしくは終了時にリース物件の法的所有権が借手に移転する旨が契約に明示されている場合(所有権移転条項付リース)
・割安購入権がついている場合(割安購入選択権条項付リース)
・他の借手に転用ができない場合(特別仕様のリース物件)
このどれかに当てはまる場合は「所有権移転ファイナンス・リース」と分類され、当てはまらない場合は「所有権移転外ファイナンス・リース」となります。補足的なことを書くのであれば、「所有権移転外ファイナンス・リース」は解約不能の条件とフルペイアウトの条件を満たし、なおかつリース料の総額が割引現在価値でそのモノを購入した場合の約90%以上を占める場合やリース期間が経済的耐用年数の約75%を占める場合などです。
最後に、なぜファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分けているかをちょっとだけ考えてみたいと思います。
リース取引は法的には賃貸借取引としてモノを貸すことによって経済的便益を借手に提供しており、借手はその経済的便益に対しての費用を貸手に支払うことになっています。しかし、ファイナンス・リースでは条件的にそのモノを長期的に割賦購入していると考えます。ちょっと難しい話にはなってしまいますが、リース取引では実質優先主義をとっていますので、法的形式なものよりも経済的実質を重視する「実質優先の原則」からすれば、ファイナンス・リース取引は事実上、売買取引として処理しなくてはならなくなります。したがって、固定資産という扱いでリース資産を借方に計上し、その代金の支払いというイメージになりますので債務としてリース債務が貸方に計上されることになります。
このように考えると、オペレーティング・リースのなぜ賃貸借取引として扱われるかがイメージできると思います。
リース会計をちょっと考えるときは、基礎知識としてこんな分類があるのかなって知っていると分かりやすいかもしれませんね。
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参考文献
・某専門学校公認会計士試験用テキスト
・桜井久勝著「財務会計講義』(中央経済社)
私も参考文献の本を持っていますが、著者は桜井勝久ではなく桜井久勝ではないでしょうか…
分かりやすい記事をありがとうございました。
コメントありがとうございます。
コメントありがとうございます。
そしてご指摘ありがとうございます。
早速修正いたしました。
ご指摘の通り桜井久勝ですね。違う記事にも同じ間違えをしていました・・・。
コピペがバレてしまいますね。
また、分かりやすいと言って頂きありがとうございます。
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