かなり間が空いてしまいましたが、ちょっとリーダーシップ論に関連しそうなこのマグレガーの人間観について書いていこうと思います。
マグレガーは働く人を2つタイプに分けています。イメージ的に仕事に対してネガティブな「X理論」と仕事に対してポジティブな「Y理論」として展開しています。それで、それぞれの特徴を見てしょう。
・X理論
1.生まれつき仕事が嫌いで、できることなら仕事を避けたいと思っている。
2.命令される方が好きで責任を回避したがり、あまり野心を持たずに安全を望んでいる。
3.強制・統制・命令され処罰される恐れがないと、十分な力を発揮しない。
この考え方を前提すれば、命令と統制によるいわゆる「アメとムチ」によって管理が行われることになります。これはマズローの欲求階層理論の低次元の部分を刺激するものだと考えられています。生活水準や教育水準が向上してくると欲求も高度化し、X理論の考え方を前提とした管理方法の有効性は低下していきます。
そこでY理論の管理方法が求められます。
・Y理論
1.仕事で心身を使うのは当たり前のことであり、遊びや休憩と変わりなく、もともと仕事が嫌いなわけでない。
2.自分がすすんで身を委ねた目標のためには自ら自分にムチを打って働く。
3.献身的に目標達成に尽くすかどうかは、それを達成して得る報酬次第である。
4.条件次第では責任を引き受けるばかりか、自らすすんで責任をとろうとする。
5.企業の問題を解決しようと、比較的高度の想像力を駆使し、手練を尽くし、創意工夫をこらす能力はたいていの人に備わってる。
6.現代の企業においては、日常、従業員の知的能力はほんの一部しか活かされてない。
この考え方を前提にして、従業員が企業の繁栄のために努力することで自分自身の欲求が充足されるような条件を作る管理方法を「統合原則」と呼んでいます。
マグレガーはY理論に立脚してモチベーションを高める具体的方策として従業員各自に目標設定を行わせる行わせる自主統制と能力開発の促進、従業員参加制度を設定する「参加型管理」や管理者のリーダーシップ訓練などを提案しました。
このように書いていくと、冒頭で書いたネガティブな「X理論」とポジティブの「Y理論」の意味が分かったと思います。原則的な考え方だとマズローの欲求階層によって管理の方法が変わるような感じですが、実際に組織に属してみると同じ組織の中でこの2つのタイプの人がいると感じます。私の中でも、なんとなくX理論っぽい人だなって思う人とY理論っぽい人だなって思う人がいます。そして私の独断ですが、仕事ができる人はY理論っぽい人の方が仕事ができる感じがしています。
個人個人でX理論タイプとY理論タイプがいますが、私がやりたいのはリーダーシップ論です。そうすると、個々ではなく集団としてみることが大事になっくると思います。まだ勉強不足で書いていないのですが、マネージャーとリーダーは違い、この内容は組織管理の内容になってきますでどちらかというとマネージャーが学ぶべき内容ですが、リーダーシップ論を考えていくとすればかなり参考になる内容ですね。
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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)
某大手通信講座 中小企業診断士テキスト
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