僕は大学で会計を専攻し卒業しました。ただ、僕には当たり前の「会計」って言葉だけど、そもそも会計って何?と言われてしまうと上手く説明できる自信がありません。ブログでは会計についてポイントを絞って書いていたりしますが、ここで改めて「会計とは何ぞや」ってことを個人的な考えも含めながら書いていきたいと思います。
1.定義
これは私が大学で習った定義になりますが、「会計は、ある特定の経済主体の経済活動を、貨幣額などを用いて計数的に測定し、その結果を報告書にまとめて利害関係者に伝達するシステムである。」(桜井久勝 財務会計講義第12版)というものになります。ちなみに、この本は大学のゼミの最初の本だったので私の財務会計論のベースはこの本になっているかもしれませんね。
さて、この定義から分かるように会計の条件は以下の2点の条件を満たすものなのかなって感じになります。
・経済主体の経済的活動を計数的に測定
・利害関係者へ報告する
昔も今も財産の一部でも任せた人から報告をしてもらうのに必要なのが会計だと私は思っています。西ローマ帝国の貴族と奴隷、中世イギリスの荘園における領主と執事との間に行われた会計責任を明らかにするために代理人会計と呼ばれるものがあったみたいなので。
そうすると、会計は何かと簡単にまとめてしまうと、利害関係者へ報告するシステムの1ついうことが出来ると私は考えています。
2.会計の領域
会計の領域については、定義の中の「経済主体」の話になるのかなって感じです。
まず、利益を追求するかどうかによって「営利会計」と「非営利会計」に分けることができます。営利会計は、商店や会社のことで一般的に企業と呼ばれてるものが対象となっており、企業会計と呼んでいます。ちなみに、このブログではこの「企業会計」がメインとなっていくと思います。他方、非営利会計は家計や行政(公会計)、非営利法人(非営利法人会計)などが対象となる会計です。
さらに、企業会計は「財務会計」と「管理会計」の2つに分けることが出来ます。この2つの内容を書いていくと長くなりそうなので、ここではざっくりと「財務会計→外部報告用」で「管理会計→内部報告用」というイメージで考えて頂けたらと思います。
この内容は前にもブログで書いていましたので参考までに・・・「会計の領域」
3.財務会計の情報提供機能
財務会計の情報提供機能って書きましたが、書きたいことは「誰のために、そして何のための会計なのか」ってことです。定義の中では「利害関係者」に関わってくる話ですね。ここについては、私見がだいぶ入っていると思います。
このブログの最初に書いた貴族と奴隷の関係や領主と執事の関係、現代で考えれば経営者と株主の関係であれば会計責任を明らかにするために必要であることは分かります。ちなみに、このような関係を「エージェンシー関係」と言います。
では、自己資金でお金も借りることもなく会社を立ち上げました。仮に税金もなかった場合は会計が必要かどうかと言われればどうでしょうか。利害関係者はいないし、必要はないのでは考えることが出来ると思います。しかし、商売する人は馬鹿ではありません。例えば、単純に売買をして稼ぐと考えた場合、仕入の金額よりも高い値段で売るのが普通です。この時に、メモレベルで行っていたとしても利益を計算し経営者はそれでいくら稼いだかを把握します。この時点で経営者が利害関係者となり、分かりやすいので法律の言葉を借りて例えるのであれば、法人と経営者の関係で会計の定義を満たすことになると思います。
※この段落の考え方は、完全に私見ですので鵜呑みにしないように注意してください。
上記ように考えた場合、1つ目は「経営者のために、利益を計算するために行う会計」と考えています。
2つ目は「株主のために、状況と配当可能利益を明らかにするための会計」と考えています。
これは分かりやすいと思いますが、典型的な「エージェンシー関係」が成立しています。株主が会社を所有し、経営については経営者に委託しています。そのための報告責任があります。
3つ目は「債権者のために、状況明らかにするための会計」
お金を貸した人(債権者)に対して、現在の状況を明らかにする必要があります。債権者はその資金を回収できるか追加投資をしても良いかどうかは関心どころです。その1つの重要な資料が会計資料となります。イメージでいえば、銀行と考えて頂ければ分かりやすいでしょう。
4つ目は「行政機関のために、納税をするための会計」
行政機関のためにというのは、適正な納税計算のために行うものです。
主な利害関係者は以上4つではないかなって考えています。もちろん、会計情報の利用者は取引先とか従業員とか他にいます。
日本では、4つのうち3つの会計について法律も絡んでくるので主な利害関係者としました。(参考:法律と会計)
ちなみに、株主については金融商品取引法、債権者については会社法(商法、民法も関わってきます。)、行政機関については税法です。
以上のように、定義をもとに私なりに会計とは何かについて改めて考えて書いてみました。完全に概念の部分になってしまうのでこれを読んでもって感じはありますが、定義を理解しようとするのは大事だと思うし、少し学び直してみようと思っているので書いてみました。
1度投稿してから気付いたんですが、過去のを見ていたら「会計とは」って内容で書いていました。2012年のブログなので大学生の時に書いた内容ですね。
読み比べてみたら同じ定義について書いているにも関わらず別の視点で書いていてちょっと面白かったので良かったら読み比べてみて下さい。
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会計とは
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参考文献
・桜井勝久 財務会計講義 中央経済社
・片山 覚他 入門会計学 実教出版
・飯野利夫 財務会計論(三訂版)同文館