人事異動

 今回は私が人事異動があり仕事内容が大きく変わったこともあったので人事異動について書いていこうと思います。

 なぜ人事異動が行われるか考えてみよう思います。よく言われるのは「ジョブローテション」というものですね。このローテーションをするのはどんな意味があるのでしょうか。そんなところを簡単に書いていきたいと思います。

●不正の防止
 これは役所や銀行に多いと考え方だと思います。同じところに長くいるとお客さんとの馴れ合いができる可能性もあり、いわゆる抜け道なども分かる可能性があります。このような事が起きてしまうと不正ができてしまいます。これを防止や早期発見を目的の1つとして異動させることがあります。銀行などの金融機関では支店などをかえる転勤のパターンが多いイメージがありますね。ただ、私は金融機関に勤めているわけではないのであくまでもイメージです。

●過度の専門化の抑制
 この専門化については、個人的には悪くはないと思っています。その仕事の分野について専門性をもって対応できるのはお客さんにもメリットがあることだと思います。ただ、この場合の過度の専門化というのはいわゆる属人化の事だと考えられます。
こうなってしまうと職務転換が難しくなってしまったり、昇進の経路も制約されてしまう可能性があります。

●人的ネットワークの形成
 人事異動があると部門や職場が変わることによって、多くの人とつながることになります。このように形成された人的ネットワークは公式的な情報伝達経路を補完するような動きをします。

●適性の発見
 ジョハリの窓があるように本人・上長・人事担当者でも分からないことあり、仕事のマッチングが上手くいかない事があります。そして、ミスマッチ状態で評価されてしまうと他の能力が高くても低評価状態が続いてしまう可能性があります。そこで異動させて色んな仕事を経験させることで能力を活かせる仕事を発見することができます。

●インセンティブ効果
 異動には昇進が伴うことがあります。この場合はもちろんインセンティブ効果があるといえます。また会社には花形部署があったりしますが、その部署への異動になったり支店から本店に異動になった場合は「栄転」と言ったりとインセンティブを働かせる機会にもなります。逆にいえば、窓際部署に異動させたりと左遷させればその分インセンティブを意図的に下げることもできると個人的には思っています。

●異種混合による組織の活性化
 長く同じメンバーで仕事をしていくと最初は異質な集団でもインフォーマル集団を形成されていき、同質化し始めます。そうなると居心地が良くなり馴れ合いも生まれていき、集団としての活力が低下していくことがあります。異動にはそのような居心地の良さや馴れ合いに緊張感を持たせ、組織の新陳代謝を促し集団としての活性化に貢献することができるとされています。

 人事異動にはこのような効果があると言えます。ここからはかなり私見が入りますが、私が異動になって気付いたことを書いていきたいと思います。内容的には私の戯言なので読まなくても大丈夫です。

 私の働いている会社はそんな大きな会社ではなく、私がいた部署はちょっと人数不足感がありました。そして、その部署で雑用的なことをやっていた私にちょっと仕事が集中していた感があります。一応、担当のお客さんがいながらも同僚のお客さんのフォローにも入り、部内経理的なこともやっていました。そして、もともと高校が情報処理科だったこともあり仕事で使うソフトウェア関係のトラブルや問い合わせも私が対応するという感じです。
 ただ私の仕事が集中してしまう原因がフォローをしているというものですので私が異動になってもそんなに影響がないと思っていました。しかも私が抜けたあと、私がいた部門には2人補充されています。
 今まで私がいた部署ってどちらかというと花形部署で空気も悪くない環境だっと思います。私がそう思っているだけかもしれませんが・・・。確かにほとんど同じメンバーで、別の部署が一緒になったりしてはいますが前の部署は7年間ぐらい所属していましたが入れ替わりの人事が1回あったぐらいです。ちなみにその時の異動でも少し変化はありましたが少し仕事の分担が代わっただけで大事にはなってなかったと思います。
 これは私が異動になってから気付いたのが同僚が私がフォローするのを前提にして仕事を組んで営業に出かけていたことと、私にとって片手間でやっていた仕事が意外と重かったことです。
 先ほど書きましたが、今まで私がいた部署って空気は悪くなくて他の人が羨ましがるようるな部署だったと思います。ただ私が抜けてまだ慣れていないのが原因かもしれませんが、その部門の人たちの余裕がなくなってしまいピリピリした空気が常に流れてしまっているような部署になってしまいました。
 さらにいえば、前回の異動のときは少し仕事の分担が代わっただけでしたが、私の異動では上長の判断で仕事の分担というか体制が大きく変わりました。これは驚きましたね。私自身が色々やっていましたが、それを片手間でやっていたように見えたのがいけなかったのかもしれないとちょっと反省しています。引き継いだ人たちが本当に大変そうです。

 私が異動になってからこんなことに気付きました。この体験をジョブローテションの意味を考えながら改めてみると、ジョブローテションを考えるときに長く同じところにいた組織としてのデメリットの部分が思いっきり出ている気がします。ただ、逆に言えば、これからは前にいた部署が活性化していくのではないかと期待できる気がしますね。

 ちなみに私が異動した先はもともとは空気が悪いと言われていた部署ですが全然そんなことがなく、個人的には仕事量も減り働きやすい環境になった気がします。

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参考文献
・伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)

日本型企業システム

今回は日本型企業システムについて書いていこうと思います。これは日本人が分析したのではなく、アメリカの経営学者ジェイムズ・アレグレンによって「日本の経営」として紹介されたみたいです。多少私見も混じっていますが、主な特徴として下記の4つが挙げられると思います。

  1. 稟議的経営
  2. メイン・バンク制度
  3. 日本型企業統治
  4. 雇用構造の特徴

それでは1つずつ簡単に書いていこうと思います。

1.稟議的経営
稟議的経営は日本独自の意思決定方式で「集団主義経営」の特徴を表しています。

第1プロセス:起案(下部部署)

第2プロセス:回議(関係部署)

第3プロセス:決裁・承認(経営層または管理層)

第4プロセス:記録

これが稟議の基本的な流れです。

第1プロセスの起案については、企業の下部の階層から行われるボトムアップ方式の仕組みで下から上層部へいわゆる「お伺い」として考え出されたものです。

第2プロセスの回議については、集団組織による稟議の練り上げを意味しています。回議するプロセスは、他部署との間でも行われ各関係部署間の意思疎通に役立っており、この方法は時間がかかるので意思決定を遅らせる原因にもなっていると思いますが、日本の経営組織の集団主義に基づく一体感を持たせるのに役立っている側面もあります。

第3プロセスの決裁・承認については、上層部の経営層または管理層が判断するプロセスであり、下部から提案された案を「捺印」という日本の特徴的な行為によって決裁・承認をします。

第4プロセスの記録については、起案された稟議書には内容だけでなく担当者や関係部署の長の捺印が記録されており保存文書として扱われます。そして審査機関としての総務の推進にかかわる記録が文書で証明されます。

流れの中身について簡単に書てみましたが、働き始めて稟議を作る時ってここまで考えることはまずないでしょうね。このように稟議の意味が分からなくても作れますから。

2.メイン・バンク制度
簡単に言ってしまえば、贔屓にしている銀行があるということです。基本的には融資など一番取引している銀行がそうなります。このメイン・バンク制度は3つの機能をあげることが出来ます。

●情報の非対称性に伴うエージェンシーコストの引き下げ
銀行はお金を扱っているので色んな情報が集まります。そこでメイン・バンクがモニタリングすることで他の融資者などとの企業の情報の非対称性を縮小させることが出来ます。

●リスクに対する保険
経営危機時にメイン・バンクが資金供給などで救済します。

●各種情報交換
メイン・バンクは助言ができ、お互いに取引に斡旋することが出来ます。

3.日本型企業統治
まず、企業統治(コーポレートガバナンス)は企業を対象に「誰のために、どのようにチェック機能を働かせるか」というようなイメージです。
日本型企業システムではステークホルダーの中でも従業員が大きな影響を与えてきたと言われています。これは経営者が一体となって経営活動する組織体であり、集団主義の考え方がリードする企業文化と言えます。ちなみに、アメリカの企業文化では株主至上主義ですので、株主が大きな影響を与えています。

4.雇用構造の特徴
日本の雇用の特徴としては

  • 終身雇用制度
  • 年功序列
  • 企業内労働組合

があります。なんとなくわかると思いますが、簡単に説明しておこうと思います。

●終身雇用制度
終身雇用制度とは、正社員として採用された場合に経営上の大きな困難や従業員の不手際がない限り定年まで雇用される暗黙の契約です。雇用が長期になれば技術やノウハウを蓄積でき、計画的な人員配置が可能となりますが、リストラ等の人員整理が難しくなるというデメリットがあります。

●年功序列
終身雇用制度と密接に関連しているのが年功序列です。年齢に応じて賃金や地位が上がっていく仕組みのことです。年齢の序列の賃金や地位の逆転を防ぐことが出来るますが、若くてやる気のある人のモチベーションが下がってしまうデメリットがあります。

●企業別組合
長期雇用関係が結ばれていると、働く人達は長時間仲間であり続けるため、労働組合が企業別になります。これは、アメリカなどの労働組合と比較すると分かりやすいと思いますが日本だとブルーカラーもホワイトカラーも同じ組合に所属することになりますが、アメリカですと産業別や職業別に組織されることが多いです。

このように書いてみると、日本では当たり前だと思っているものが日本特有なものだということが分かります。ただ、最近では年功序列など崩れてきているものが出てきているもの事実です。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

商業者の必要性

 今回は流通論の基礎的な内容になると思いますが、卸売業者や商社の存在意義について書いていこうと思います。

 まず、法人も個人もモノの組み合わせにより使っていくことが多いと思います。例えば、パソコン用ディスプレイはパソコンがないと使用することはありません。組み合わせによって価値が出てきます。つまり、消費活動というのはモノの集合によって行うことが多いということです。そして、消費目的に沿って意識的に形成された財の集合を「アソートメント(assortment)」といいます。
 このアソートメントをアメリカの商学者のロー・オルダーソンは「形態付与」「適合調整」「品揃え形成」の3つに分類しました。形態付与と適合調整は生産領域に含まれますが、品揃え形成に関しては、交換や売買を通じて行われるものなので流通のプロセスになります。

 この品揃え形成について簡単なイメージを持ってもらうのであれば、ご飯の買い出しをイメージしてもらうと良いかもしれません。大学の講義の時にもこのような例だった気がします。
 例えば、鶏肉・玉ねぎ・卵・お米を買いに行こう思います。これを買うとき、お肉屋さん・八百屋さん・卵屋さん・お米屋さん、というように4つの店に行くなるとちょっと面倒くさいと思うかもしれません。ただ、これらをスーパーで買うと1か所で済みます。このとき4つの店で買う合計金額よりスーパーの方がちょっと高くなったとしても、効率などを考えて自分にとってメリットがあればスーパーだけで済ませるという選択もできると思います。あくまでもイメージですが品揃え形成はこのような考え方でとりあえずは大丈夫だと思います。これはちょっと余談ですが、ここでの例は買い手が最終消費者ですので「最終アソートメント」と言ったりします。

 

 さて、ここから本題になっていきますが商業者である卸売業者や商社の存在意義について私の私見も交えながら書いていきたいと思います。ちなみに、ここから書いていくのは「中間アソートメント」っていうものです。

 

 1つ目に挙げらるのは「取引数削減の原理」です。まずは流通論を勉強すると必ずって言ってよいほどよく見る図を貼っておきます。

 この状態が商業者を経由しないでそれぞれが取引している図になります。取引をそれぞれ行っているのでちょっとごちゃごちゃした印象ですね。次の図が商業者が入ったになります。

 かなりすっきりとした印象になったと思います。この商業者が卸売業者とか商社です。この2つ図を見るだけでも取引数が減ったと言うことが分かると思います。

 よく、直接取引をした方が中間業者を通さないのでマージンを取られないので安く仕入れる事が出来て良いのではないかという意見があったりします。ただ、商業者を入れることで取引数が減り、結果的に流通コストの節約になりますし、最初の方に書かせてもらったように品揃え形成の効果により必要なものをまとめて納品してもらえます。
 また、取引数が減ることによって伝票の数も減らすことができ、問い合わせ窓口も減らすことができます。これは、仕事をして感じている部分でもありますが、取引先からの伝票は100%正確ってわけではありませんし、商品に不良品があったり、納品ミスがあったりすると直接取引では商品ごとのメーカーに問い合わせをしなければなりません。ただ、商業者がいればそこに問い合わせれば済みます。

 

 2つ目に挙げられるのは「情報縮約・整合の原理」です。中間業者である商業者には生産者側からも消費者側からも色んな情報が入ってきます。その情報を整理すればそれぞれの情報を比較することもできます。また、自らの責任で仕入及び販売をしていくので商業者の品揃えは消費者のニーズを反映したものになり、生産者の供給可能性と消費者の需要を商業者の品揃えに鏡のように反映されることからミラー効果と呼ばれたりします。商業者はこのような情報収集や分析を自ら行うことになるので、消費者の情報収集や分析に関するコストが削減されたりもします。

 

 3つ目に挙げるのは「集中貯蔵の原理」です。これは、簡単に言ってしまえば在庫に関するものです。生産者にとって需要は不確実なものになります。急な需要増に対応するためにはある程度在庫を持つ必要がありますが、生産者は生産物全体の在庫をもつ必要になるため、かなりの在庫規模になってしまう可能性があります。この時に、商業者は自ら持っている情報の中から生産者から一部の商品の在庫を集中して持つことができます。これにより生産者側からするとほとんどが買い取りだと思いますから、商業者が在庫してくれることで大きなリスクなく在庫コストなどの流通コストが下がることになります。

 

 このようにみると、確かに直接取引した方が仕入金額が安くなるので良いかもしれませんが、商業者をいれるメリットも見えてくると思います。また、商業者が間に入ることで取引を拡大できる可能性もあります。法人同士ですと、新たな取引になると信用できるかどうか調査を行うなどちょっと面倒くさいことがあったりしますが、このときに商業者の取引先であれば、生産者側からしたら商業者との取引だけになるので特にリスクなく取引することができます。こういうところもメリットと言えますね。

 さらに言えば、規模が大きくなればなるほど、商業者は必然的に多くの情報が集まってきます。そうすると、業界の動向などの情報も入ってくるので商品だけでなく情報屋としての役割もあり、商業者にとって大きな武器にもなっている個人的には思っています。

 このように見ていくと商業者がいた方がメリットがあり、必要な存在だと言えるので現代でも商売として成り立っているのだと思います。

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参考文献
 ・渡辺達郎他著『流通論をつかむ』(有斐閣)

多角化戦略

今回は多角化について見ていこうと思います。企業が多角化戦略を考えた時にどんな理由で多角化をするのでしょうか。調べると色々出てきますが、とりあえず持っている参考書の中で1番数が少ないって理由だけですが、下記の3点に絞って書いていこうと思います。

・範囲の経済
・リスクの分散
・成長の経済

範囲の経済
まずは範囲の経済についてです。企業が持っている経営資源を新しい製品や事業に活用する多角化は相乗効果が得られる可能性が高いです。既存事業との接点がある新事業は1から行うよりも既に持っているノウハウなどを生かすことができれば費用を抑えることができます。この費用的なものがこの範囲の経済を簡単にイメージして頂くならこれが分かりやすいと思います。

リスクの分散
次はリスクの分散です。多角化を行う一番の理由はこれだと思います。例えば、経営資源を1つに集中的に投資していた場合その事業が衰退してしまった場合、企業の存続さえも危うくなる大きなリスクがあります。そのため多角化することでそのリスクを分散するという目的で行います。

成長の経済
成長の経済は、成長すること自体がもたらす経済的メリットです。多角化することで成長するプロセスが生まれます。その時に必要な労働力を若い人で補給したとき、人件費が平均して下がるなどコスト構造が変化したり、そもそも多角化することによって企業が成長することを実感できれば心理的なエネルギーにもプラスに働くなどが成長の経済の源泉となったります。

この多角化をする時に技術とか流通チャネルとかを生かしながら関連した多角化を「関連型多角化」と言い、関係ない多角化を「非関連型多角化」と言ったりします。

この多角化をする時に注意するべき事があります。まず事業領域を明確にする必要があります。多角化は経営資源を再配分する関係で事業構造の分散の可能性もあります。ですので多角化の意義や位置づけを明確にする必要があります。その時にシナジーを活用できるかどうかも確認できれば良いかもしれません。
また、多角化をする上で意外とネックになるのは変化を恐れる企業体質だったりします。まずはそれを受け入れる体制づくりから始めないといけないかもしれません。そして、経営資源が多角化に耐えられるかどうかも確認する必要があります。

最後に参考ですが、多角化を考えるうえでなんとなく基礎知識としてあった方が良いものを前のブログで書いてあるので一応貼っておきます。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

上記は製品ライフサイクルの説明ですがそれを事業に置き換えてもらえると参考になると思います。

また、事業領域を考えるうえで下記のブログも参考になると思います。

企業ドメインの基礎

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参考文献

・某大手通信教育講座中小企業診断士テキスト
綱倉久永・新宅純二郎著『経営戦略入門』(日本経済新聞出版社)

ロバート・ケリーのフォロワーシップのタイプ

今回は最近読んでちょっと面白いと感じたロバート・ケリーのフォロワーシップのタイプについて書いていこうと思います。

ロバート・ケリーはフォロワーシップについて明らかにするために、700人を超える人たちに最高のフォロワー・最低のフォロワー・典型的なフォロワーに分けてインタビューを行いました。その結果、フォロワーシップには2つの軸があると見出しました。

1.クリティカル・シンキング・・・リーダーがとろうとする行動を無批判に受け入れるのではなく、独自の視点で考えているか

2.積極的か消極的か・・・自らの考えたことにイニシアチブを取り、積極的に参加し、自発的に担当業務以上の仕事をしているか

この上記の2つの軸です。この2つの軸を基に「実務型」「順応型」「孤立型」「消極的」「模範的」の5つのフォロワーに分類しました。どんな人がどのタイプになるか1つ1つ特徴を書いていきたいと思います。ちなみにパーセントの数字はフォロワー全体で何%ぐらい存在するかっていう割合です。

実務型フォロワー(25%~35%)
リーダーの決定に疑問をはさみますが頻繁でもないし、批判的でもない人です。良い仕事はしたいとは思っており要求された仕事はこなしますが、冒険はせず失敗を避けたい人です。

順応型フォロワー(20%~30%)
リーダーの命令を受け、権威に従い、リーダーの見解や判断に順応することが義務だと考えています。自分が歯車の1つのであることや上に誰かがいることが心地良いと思っています。

孤立型フォロワー(15%~25%)
独自のクリティカル・シンキングを持っており基本的に有能ですが、リーダーに対して辛辣な批判をします。役割を果たすのに消極的で周囲から浮いた存在になっていき、自分を取り巻く環境を居心地の悪いものにしてしまいます。

消極的フォロワー(5%~10%)
考えることを完全にリーダーに頼り、仕事に対する情熱やイニシアチブ、責任感に欠け、与えられた仕事も指示がないとできず、自分の担当業務を超えることはしない人です。

模範的フォロワー(3%程度)
独自のクリティカル・シンキングを持ちリーダーやグループを見極め、自主的に行動します。リーダーや同僚たちから見ると「独立心が旺盛で、独自の考えを持ち、革新的かつ独創的で、建設的な批評を生み出し、リーダーに物おじせず接する人物」と映る人です。組織の抵抗があっても、組織の利益ために積極的に取り組み、リーダーや同僚をサポートし、守備範囲以上の仕事をこなします。

私がこのフォロワーのタイプを初めて勉強をしたときに自分の会社の同僚を考えてみたら、ほとんどの人がどれかしらのタイプに当てはまっているから面白かったんですよね。ちなみに、図表にすると下図のようになります。この内容を勉強をすると大体のテキストには書いてあるものです。

自分はこのタイプだって思えるものもあると思いますので1回はそれを考えてみるのも面白いかもしれませんね。個人的にはこのフォロワーのタイプって生まれつきの性格と今まで育った環境によって基本的な考え方は決まってしまいそうな感じがします。
ただ、何かきっかけがあるとフォロワーのタイプが変わることもあります。ネガティブな方向になりますが、実は「孤立型フォロワー」は元々「模範的フォロワー」だったことも良くあることみたいなので。

基本的には模範的フォロワーを目指しましょう!と言うべきかもしれません。ただ、先ほどもちょっと書きましたがこのフォロワーのタイプって性格や育ってきた環境によってある程度決まると思うので、仕事に対する根本的な考え方を変えないと変わらないと思うんですよね。それが大きく変わる「きっかけ」が必要だと思いますが、ネガティブな考え方になってしまうきっかけはいくらでもある感じがしますが、模範的フォロワーになるようなポジティブなきっかけは何か「縁」みたいな感じで中々ない感じがします。

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参考文献
グロービス経営大学院編著『MBAリーダーシップ』(ダイヤモンド社)
西之坊穂著『日本の組織におけるフォロワーシップ』(晃洋書房)

組織論のリーダーとフォロワー

今回はリーダーとフォロワーについて書いていきたいと思います。
経営戦略についても「リーダー」と「フォロワー」という単語を使われているので、タイトルにあえて「組織論」と書いてあります。

個人的にですがリーダーシップ論を勉強をしていくうちにフォロワーシップ論の方が面白そうだと感じるようになりました。
フォロワーシップ論についてはリーダーシップ論ほど歴史がなかくなく、有名な研究者を上げるのあればロバート・ケリーとかバーバラ・ケラーマンとなるでしょう。
ちなみに、リーダーシップ論もフォロワーシップ論も視点が違うだけで組織論の中の1つだと思っています。

さらに、チームとして考えると下のように視点を変えるだけで下記のように分類できます。

・リーダーシップに注目→リーダーシップ
・フォロワーシップに注目→フォロワーシップ
・両方に注目→メンバーシップ

これも完全に私見にはなってしましますが、リーダーシップはチームリーダーが学び、フォロワーシップはチームメンバー、そしてメンバーシップは役員のようなマネージャー(チーム目標を与える人)が学ぶと良いのではないかと思います。まぁ、私自身は平社員なんで、平社員が何言ってるんだ。って感じですけどね。

さて、ここから本題に入っていきます。

理論的な話はまた別に書こうと思っていますので今回は私見も入っていますし、理論的なものを書くときに考えやすくなればと思って書いていきます。
リーダーはなんとなく離隔できている人が多いと思いますが、フォロワーはあまり聞きなれない言葉かもしれません。簡単にイメージを掴んでもらうのであれば、フォロワーはリーダーに影響を受ける人って感じで大丈夫です。

そのリーダーと言っても企業として考えると色々な立場があります。例えば、社長、部長、課長、次長、課長など役職についてる人(部長以下はミドルリーダーシップ考え方があるみたいですね。)プロジェクトリーダーやチームリーダーなど色々あります。

これらのリーダーがリーダーとして力を発揮するためには、何が必要かとういうと部下などのフォロワーがリーダーとして認めることが大きいです。
それを理解するのはパワー関係にあって、その源泉として5つあるみたいです。

1.強制力
2.報酬力
3.判断力
4.個人力
5.正当権力

強制力は、恐怖心に依存するものです。簡単に言ってしまえば懲罰を与えることによってフォロワーを従わせることですね。なんとなくネガティブなイメージです。
そして、強制力の逆として扱われているが報酬力です。報酬を与える事によってフォロワーがプラスになったりメリットがあるので従うというものです。これはポジティブですね。
判断力についてはリーダーの判断力に信頼感があるので従うってことです。ちょっとズレてしまうと思いますが、専門家の意見には従うイメージです。
個人力は個人の魅力で従う感じですかね。憧れの人とかお手本にする人には従うというものです。逆に、組織に公式で選ばれた人に従うのは正当権力です。
会社員の人であれば、上司の指示には従うって感じです。

自分がフォロワーって思う人は多いと思いますが、この5つの源泉を考えてみると当てはまる人が多いのではないでしょうか。ここまで読むとリーダーシップとフォロワーシップは当たり前なのですが、リーダーがフォロワーシップを従わせるってイメージになると思います。

ただ、次世代のフォロワーシップ論については私のイメージでもありますが、フォロワーシップがリーダーシップへどのような影響を与えるかっていう視点もありますのでそういうのもこれから書いていきたいと思います。

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参考文献
スティーブン・P・ロビンス著 高木晴夫訳『組織行動のマネジメント』(中央経済社
グロービス経営大学院編著『MBAリーダーシップ』(ダイヤモンド社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

今回はPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)について書いていこうと思います。

PPMという経営戦略は大企業を中心に経営リスクを分散させるために多角化を進めて事業を展開してきましたが、もちろんこの中には投資に見合う利益が得られないこともあります。このような時に撤退を含めた対策を講じる必要が出てきます。ただ企業自らこの判断をすることは簡単そうに見えて難しいため、このような解決策としてボストン・コンサルティング・グループが開発した戦略手法です。PPMでは「経験曲線及びマーケットシェア(市場占有率)」と「製品ライフサイクル」の2つの分析視点を新たに与えています。

1.経験曲線
経験曲線は累積生産量が増加すると単位当たりのコストが下がるというものです。本来なら簡易的なグラフなどで示した方が分かりやすいかもしれませんが、省略します。ざっくりとイメージして頂くのであれば右下がりのグラフをイメージして頂ければと思います。
この経験曲線はほとんどの産業に例外なく見られ、ボストン・コンサルティング・グループではその理由として①習熟効果、②規模の経済性、③技術の改善、④デザインや工程の改善をあげています。簡単に言ってしまえば、経験を積めば積むほど慣れてくるし色々改善や工夫もしていくと思います。また、作れば作るほど1個当たりにかかる固定費も分散されていくこともあって、1個当たりの単位は下がっていくのは容易にイメージできると思います。そして、製造コストが相対的に低くなれば、競争上有利にもなります。

2.製品ライフサイクル
製品ライフサイクルというのは製品やサービスを市場に投入してから撤退するまでの周期で、導入期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期へと移行することにともなって、需要量も増減するとともに、売上高と利益が時系列的に推移する考え方を言います。各期の特徴は下記のようになります。

①導入期
導入期は市場に存在していなかったモノを市場に導入した時です。この段階では顧客や競争業者は価値や潜在力を理解していないため、将来の需要動向も不明確です。そのため、売上高の増加ピッチはなかなか進みません。また、販売促進費や流通コストなどが大きくなるため利益も出しにくいという特徴もあります。

②成長期
成長期は製品やサービスが顧客に受け入れられて売上高が急速に増加します。この段階では需要予測の精度も高まり、相当規模の市場が形成される可能性が明らかになります。このため、多くの利益を獲得できる機会が顕在化し、市場に参入する企業も増え競争が激しくなります。供給量も多くなりますが、需要が伸びている限り価格はあまり変動しません。この段階では、増加する競合他社に対して差別化をするため機能や品質を向上させるよな費用が必要になります。

③成熟期
製品やサービスが成長率や売上高の伸びが落ち着いて総需要がピークになり、需要の相当部分が買い替え需要が占めます。また、顧客の購買意思決定の過程も単純化します。成熟期は成長期や導入時より長く続き同業他社との棲み分けが進み、各企業の販売量も安定的になり、成長率や売上高がピークになると価格の引き下げなどがあり、利益は減少していきます。

④衰退期
衰退期は需要が減少してく時期で、代替製品などが登場します。売上高や利益も減少し市場の魅力も下がっていきます。撤退や販売中止などの手段を速やかに行う必要もでてきます。

最後に、このあたりの勉強をすると出てる図を参考までに貼っておきます。

以上の2点を踏まえて、本題のPPMについて書いていこうと思います。

PPMは製品や事業に関する資金の流出入は、相対的市場成長率と相対的市場占有率(シェア)を組み合わせによって決まっているというものです。相対的市場成長率は製品ライフサイクル上の位置が基本となり、相対的市場占有率は経験曲線における累積生産量の大小を基本とし、その結果として「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4つの象限分類されます。それぞれの象限には以下の特性が確認されています。

①花形
市場成長率も市場占有率も高い状態です。成長期であって資金流入も大きいですが、それと同時に先行投資などの資金投下も必要とするため、安定的で潤沢な利益を生み出すとは言い難いものです。ただ、市場成長率が尾部くなり市場占有率を維持することが出来れば、金のなる木になる可能性があります。

②金のなる木
市場成長率は低いが市場占有率は高い状態です。成熟期の状態であって将来的に大きな魅力はありませんが、投資の必要がなく市場占有率も高いことから高い収益があります。企業にとって主たる資金源になります。

③問題児
市場成長率は高いが市場占有率は低い状態です。成長期であり、将来への魅力は大きいものの市場占有率が低いので大きな投資が必要になります。ただ、大きい投資をしたところで金のなる木になって資金源になるか分からないものです。だから問題児って名前なんだと思います。

④負け犬
市場成長率も市場占有率も低い状態です。衰退期であり成長投資もいらないが資金の流入もあまり期待できません。将来的にも魅力がないので合理化や撤退を考えなければならない状態です。ただ、中にはマニアックな分野で競争力が少ないってことで、少しでも利益がでるならと残すことも1つの選択肢になり得ます。

このPPMの理想形は「金のなる木」で出来た資金を「問題児」に資金を投資して「花形」にする。そして、花形を成長させて「金のなる木」にするイメージです。もちろん、金のなる木で生まれた資金を花形に投資して市場成長率が低くなるまで市場占有率を維持するという戦略も考えられるはずです。

このPPMについても勉強すると良く出てくる図があるので、こちらも貼っておきます。ちなみに矢印も付けておきますが、これが資金の理想の流れです。花形は資金が流入になる可能性もあり、流出になってしまう可能性もあるので「増減」と記載してあります。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)
某大手通信講座 中小企業診断士テキスト

PM理論

今回はPM理論について書いていこうと思います。

PM理論は三隅二不二(みすみじゅうじ)がカートライトらの指摘する目標達成機能(Performane)と集団維持機能(Maintenance)の2つをリーダーシップの視点かとらえ直し、2つの頭文字をとってPM理論を提示しました。

目標達成機能は組織の目標達成や課題解決にかかる機能の事を言い、集団維持機能とは人間関係の緊張緩和や自主性の刺激など、集団の維持と強化にかかる機能の事を言っています。

三隅二不二はさらに、P機能とM機能をどの程度発揮しているのかという視点からリーダーシップ・スタイルを類型化しています。表にもしますが、大文字が高く、小文字が低いイメージをして下さい。

タスクや成果に関心を強くとっているのがPm型、社員の状態や内心に関心を寄せているpM型、両方に行動に関心を寄せているのがPM型、両方にの行動に関心を持っていないのがpm型となります。

さらに三隅二不二はリーダーシップのスタイルと効果との関係一連の研究で次の通りに立証しました。

生産性を高めるリーダーシップの類家
1位PM型、2位P型、3位M型、4位pm型

部下のモラルを高めるリーダーシップ類型
1位PM型、2位M型、3位P型、4位pm型

この結果からも明らかの通り、仕事にも人間にも関心があるのがリーダーシップ・スタイルとして最適であることが特徴になりますが、リーダーシップの行動パターンと集団の業績との間には一貫した関係性を見出すことができず状況要因を考慮しなければならないことが判明しました。

この内容としては、仕事にも組織にも関心があるリーダーが最適であるけれども状況も考えなきゃいけないって当たり前のことを言っている印象がありますね。ただ、それに根拠を持たせることが研究なのかなって感じがします。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<3>人的資源管理/経営法務』(中央経済社)
グロービス経営大学院編著『MBAリーダーシップ』(ダイヤモンド社)
某大手通信講座 中小企業診断士テキスト

オハイオ研究

今回はかなり短い内容になってしまいそう気がしますが、オハイオ研究について書いていこうと思います。

オハイオ研究はオハイオ州立大学の研究グループが、リーダーシップに仕事指向的な「構造づくり」と人間指向的な「配慮」といった2つの基本的次元があることを発見しました。「構造づくり」はリーダーが仕事内容について関心をもち、職務の構造や役割を規定することで、「配慮」はリーダーがメンバーに興味を持ち、良好な人間関係を形成し維持することです。
この両者をどのように組み合わせるかによって有効なリーダーシップが決まってくるとしています。オハイオ研究に調べるとよく出る図も簡単に作ったので載せておきます。

この図で配慮と構造づくりがともに高い「Hi-Hi型」を兼ね備えたリーダーが最も有効であると多くの実証的研究によって証明されましたが、「Hi-Hi型」だからといって必ずしも良い結果が得られるわけではありません。例外も多く、状況要因を考慮する必要があると判明しました。

オハイオ研究について書いてみるとこんなもんです。これを書いて思ったんですが、リーダーシップスタイルのいわゆる典型例はあるものの結局はその組織に適したリーダーシップのスタイルを判断しないといけないんだなって思いました。ただ、このオハイオ研究の考え方はリーダーシップ論を勉強していくうえで意外と基礎的部分になっていくかもしれもせんので、内容としては簡単かもしれませんが重要なのかもしれませんね。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<3>人的資源管理/経営法務』(中央経済社)
某大手通信講座 中小企業診断士テキスト

リッカートのシステム4

今回はリッカートのシステム4について書いてみようと思います。

リッカートのシステム4については前段階としてミシガン研究があります。ミシガン研究とはアメリカミシガン州立大学を拠点として展開された研究です。

リーダーを「従業員中心型」と「仕事中心型」の2つのタイプに分けて、従業員中心型が高い業績をもたらす有効なリーダーシップとしました。仕事中心型のリーダーの場合、集団の生産性は向上するものの、それが緊張やプレッシャーにつながってしまい、メンバーの満足度を低下させてしまいますが、従業員中心型のリーダーは集団の生産性と従業員の満足度を高めることができると判明しました。

こうした「従業員中心型」の思想がリッカートのシステム4に引き継がれています。

リッカートは、リーダーシップの特性や意思決定過程の特性などによって組織特性を研究し、生産性の低い組織と高い組織の違いを明らかにしました。そして、リーダーシップ、動機づけの強さ、コミュニケーションのプロセス、相互作用、意思決定、目的設定、コントロールなどの特徴に基づいて組織管理モデルを下記の4つに分類しました。

システム1:独善的権威型組織
システム2:温情的権威型組織
システム3:相談型組織
システム4:集団参加型組織

システム1とシステム2については、専制型と温情型の違いがあるもののトップダウンで決定し、厳格な管理が求められます。マグレガーのX理論とY理論でいうとX理論に基づいた管理と言えるでしょう。

参考→マグレガーのX理論とY理論

このような専制型の管理モデルは短期的に高い生産性を実現することが出来ますが、会社や上司に不満や不信感が生じ、コミュニケーションが低調で欠勤や離職率が高くなるなどして、生産性の低下を招くことになります。

システム3の相談型組織はシステム1やシステム2のように完全にトップダウンではなく、部下への配慮や限定的に決定への参加を認めているものになります。

最後にシステム4の集団参加組織は最も理想的なタイプであるとし、3つの基本的概念が存在すると指摘しました。

1.支持的関係:リーダーがメンバーをよく理解し、組織の中で支持され価値がある存在とみなされているという実感を持たせること
2.集団的意思決定:リーダーが組織内で連結ピンの役割を果たし、組織全体が円滑に機能することに貢献し、リーダーを中心とした仕事の方針や目標の決定などの集団的意思決定を行うこと
3.自主的な高い業績目標:リーダーが、メンバーによる自発的で実現可能な高い業績目標設定に導くこと

このような管理の下では、会社や上司に対して好意的な態度や高い信頼感が生まれ、コミュニケーションも活性化し、集団帰属意識も高くなり、長期間にわたり高い生産性を維持することができると参加型リーダーシップの重要性を指摘しました。

今回のリッカートの経営管理モデルとしてマグレガーの話と一緒に出てくるものなので、個人的には前回の続きというイメージで書きました。まだ2個ぐらいあるので、気まぐれで書いていきたいと思います。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<3>人的資源管理/経営法務』(中央経済社)
某大手通信講座 中小企業診断士テキスト