企業ドメインの基礎

経営学におけるドメインというと「事業ドメイン」と「企業ドメイン」があると思いますが、今回は「企業ドメイン」について書いていこうと思います。まぁ、突然「企業ドメイン」っていっても分からないと思うのでいつも通り、企業ドメインとはなにかを簡単に書いてから、中身に入っていきたいと思います。

企業ドメインを簡単にいうと、企業の事業領域を定義していくことであると言えます。その領域は、将来的な事業や戦略の領域を含めて考えるものになります。そして、企業ドメインを定めることによって、企業の指針というか方向性というか、そんなものを決めることができ、方向性をしっかりしたうえで今後の戦略とかを考えることができるようになります。

最初に簡単に書いみましたが、まぁ、よく分からないかもしれませんね。私も無知でこれを読んだら、「なんのこっちゃ」って思うと思います。と、いうことで中身に入っていきましょう。

まず、企業ドメインの意義について考えてみましょう。

企業のドメインを考えることは、その企業のコンセプトを決定し、さらにはどのような分野でやっていくことかを決定することになります。つまり、事業領域を決定することになりますね。これを決めることによって、例えば、企業が多角化をする時の判断材料にもなります。「可能ならば、いろんな多角化をしてリスクの分散をする方が良いのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ドメインを明確にしないと企業は方向性を見失ってしまいます。そして、経営資源の配分やこれから蓄積していくべき経営資源が明確にならなくなる可能性があります。こうなってしまうと、せっかく持っている強みなどを活かせなくなってしまうかもしれません。ユニクロだって、野菜事業をやって失敗していますしね。こんなことも頭に入れながら、ドメインを定義する意義を私の持っている本では3つに分けて考えているので、ここでも3つに分けて考えてみましょう。

まず1つ目は、「組織が意思決定をする際の指針を与えることができる。」と、いうことです。企業ドメインを決めないで考えてしまうと意思決定する際に浅く広い考えで決定しかねません。多様な変化が起こっている世の中で、浅く広い情報での意思決定は少し危険な感じがしますよね。しかし、事業領域を限定しいればその事業領域に対して深い情報をを収集することができ、適切な判断ができる可能性が高くなります。また、事業を展開していく時の指針にもなります。もし、企業ドメインがなければ方向性を見失ってしまい、一貫性のある意思決定ができなくなってしまいます。

2つ目は、「企業の経営資源の配分や蓄積に指針を与えることできる。」と、いうことです。企業ドメインで事業領域を限定することで、これからどのような経営資源が必要であるかを明らかにすることができ、さらには、その企業の強みをさらに強化できるようになります。これは、企業ドメインを限定することでその企業の方向性にあった経営資源の蓄積ができ、同時に配分が可能となるからです。

そして3つ目は、「組織に一体感をつくることができる。」と、いうことです。組織は、特に多角化か進んでいる組織は同じ組織であっても別々の組織で働いているような感覚を持ちます。実際に私は、人事異動で部門を異動した時に、あたかも転職したような感覚を持ちました。そのぐらい、企業風土が違ったのです。このような場合に、企業ドメインを定義しておくと、部門ごとにやっていることは違うかもしれないけど、同じ目標に向かって仕事していると思わせることができます。そして、事業間の協力や範囲の経済の実現を可能にしていきます。

これが企業ドメインを定義する意義です。次に、企業ドメインを定義する際のアプローチについて考えてみます。ドメインを定義するアプローチには3つあげることができます。これも順番に書いていきます。

まず1つ目は、機能による定義です。これは、現在行っている事業などでとらえるものです。その行っている事業が市場や社会に対してどのような機能をもたらしているかを考えて定義していきます。この場合、将来のどのような展開をしていくかを考え、潜在的ものも考えて広く考えることができるため戦略的な観点からは望ましいといえます。
例えば、レビットが1960年にハーバード・ビジネスレビュー詩に掲載した論文で、アメリカの鉄道会社の事業ドメインを「鉄道事業」と定義してしまったため、他の輸送手段への多角化の機会を逃してしまい、衰退してしまったという主張はよく知られています。もし、もうちょっと広く企業ドメインを定義していれば、多角化が成功していたかもしれません。

2つ目は市場と技術や能力によって定義するものです。市場に対して持っている技術や能力を活かし将来の発展の方向性をドメインとするものです。このアプローチで企業ドメインを定義するのは、最近では、市場が成熟化し、顧客の多様なニーズがあることから難しくなってきてます。例をあげるのであれば、松下電器が一時期標榜していた「ヒューマン・エレクトロニクス」はその1つと言えるかもしれません。

そして3つ目は、顧客層、顧客機能、技術にの3つにより定義するものです。これにエーベルによって提示されたもので、現在のアプローチ方法として普及しているものですね。これは、だれに(顧客層)、何を(顧客層)、どのように(技術)に提供するかという感じで定義していきます。これにより、戦略的にドメインを設定できる感じがしますね。

企業ドメインについてざっと書きましたが、正直、事業ドメインを考えるのは容易ではありません。広く事業領域を定義してしまうと方向性を見失ってしまい、適切な経営資源の蓄積や配分ができなくなってしまったり、逆に狭すぎるとアメリカの鉄道会社みたいに機会を逃してしまうかもしれません。
アプローチ方法も3つ書いてみましたが、現在では基本的に3つ目を使うのが一般的みたいです。ですので、今回も「企業ドメインの基礎」というタイトルをつけてみました。たぶん調べてみると3つ目のが多く出てくると思うので、このブログ読んでから他の調べてみると良いかもしれませんね。

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参考文献
・某大手通信教育講座中小企業診断士テキスト
・綱倉久永・新宅純二郎著『経営戦略入門』(日本経済新聞出版社)
・経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<2>マネジメント』(中央経済社)
・伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)

ファヨール(管理過程論の基礎)

今回は経営管理論の父と言われているファヨールの管理過程論について書いていこうと思います。

そもそも、ファヨールって誰?と思うのでとりあえずファヨールについて簡単に書いておこうと思います。ファヨールは鉱山学校を卒業後、炭鉱会社のコマンボール社に入社しました。そして、鉱山技師、所長を経て社長に就任しました。ファヨールが社長に就任した時コマンボール社は倒産の危機に直面していていましたが、頑張って立て直しに成功しました。この時に、行き当たりばったりの管理よりも、理論的基盤に基づかせる必要さを痛感したそうです。ファヨールはこの経験を鉱山協会の50周年大会で訴え、この講演を書物にまとめられたのが、経営管理論の最初の書物と言われています。
ファヨールはこんな人です。個人的に、倒産の危機の時に社長になるとか嫌な時になったけど、現場上がりなのにちゃんと理論も駆使しながら立て直したってスゲー奴だなってのが最初の印象だった気がします。

私の個人的な感想はどうでも良いと思うので、中身について書いていきます。

ファヨールは、企業を有機的な組織体ととらえ、どんな企業でも不可欠な活動として次の6つの職能に分類しました。

1.技術活動(生産、製造、加工)
2.商業活動(購買、販売、交換)
3.財務活動(資本の調達と管理)
4.保全活動(財産と従業員の保護)
5.会計活動(財産目録、貸借対照表、原価、統制、等)
6.管理活動(計画化、組織、命令、調整、統制)

ファヨールは「管理」と「経営」を明確に区別し、「管理」はこの不可欠な活動の1つであり、「経営」はこの6つの活動の遂行を確保し、できるだけ多くの利益を確保するように企業を導くことであるとしています。この6つの活動にうち「管理活動」を除く5つはモノを対象としているのに対し、管理活動は人間や組織体を対象とするので、組織の上位階層になるほど、また、組織の規模が大きくなるほど重要性が増す特徴があります。

6つの活動のうち、管理活動については上位階層の任務の中でも大きな位置を占めるころもあり、諸要素として5つあります。上記の分類でも5つ書いてありますが、それについてちょっとだけ内容について書いていきます。

計画化:将来のことを考えて、活動計画を作成する。
組 織:企業における物的・社会的にな二重の構造を構成する。
命 令:従業員を機能させる。
調 整:活動と努力を統一させ、調和させる。
統 制:規準や命令に従って行われるように監視する。

ファヨールは、このような管理職能を遂行する能力は、学校教育でも取得可能であるにもかかわらず、行われてこなかったのは管理の教理をが欠いていることが原因であると考え、管理の理論の確立に踏み出しました。

ファヨールは、管理職能を遂行するために自らの経験を踏まえよく用いた管理の一般原則として、14の原則を提示しました。この14の原則についても簡単に内容に触れ列挙していこうと思います。

1.分業の原則:労働の専門化による能率向上や熟練形成の容易化。
2.権限ー責任の原則:公式的権限を補完する個人的権限と責任。
3.規律の原則:優れた管理者・明確な労使協約・適切な制裁による規律の確保。
4.命令の一元性の原則:1人の上司からのみ命令を受け取る。
5.指揮の一元性の原則:同一目標をもつ活動の指揮者と計画は1つだけである。
6.私的利益の公的利益への従属の原則:企業全体の利益の優先。
7.従業員の報酬の原則:公正で労働意欲を高める労働の対価。
8.集権化の原則:従業員の役割を増減させる分権化と集権化は程度の問題である。
9.階層組織の原則:命令一元性と迅速な伝達を確保するために架橋が用いられる。
10.秩序の原則:物的・社会的秩序のために適材適所をはかる。
11.公正の原則:従業員に対する好意と正義の結びつきにより公正が実現される。
12.従業員の安定の原則:従業員としての地位の安定と異動のバランス。
13.イニシアティブの原則:自ら計画・実行する創意を奨励し熱意・活動を引き出す。
14.従業員の団結の原則:命令一元性を守り、従業員の分裂や文書連絡の多用を廃し、団結を強化する。

ファヨールはこのように原則を提示しましたが、管理に関する問題に関しては、絶対的なものはなく、全て程度の問題であり、管理原則の適用に際しては知性、経験、決断力、節度が求められるとしています。

これらの管理原則は、必ずしも体系的・網羅的に提示されているわけではありませんが、管理の理論構築や実践のためのガイドラインとなりました。そして、ファヨールの考えは「管理過程論」として継承され発展していきます。

ファヨールについて簡単にかいていくとこんな感じになると思います。管理過程論はファヨールが始まりなだけであって、調べてみると色々なアプローチがあります。そんなこともあるので、タイトルを「管理過程論の基礎」にしてみました。

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参考文献
・経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)
・某大手専門学校会計士テキスト

テイラーの科学的管理法の基礎

今回は科学的管理の父と言われたテイラーの科学的管理法について書いていきたいと思います。

 

 テイラーはミッドベール製鉄所にに雇われた時、工員達の怠業を見ました。その原因は単純出来高制等を採用していたものの、工員が精を出して働き一定水準以上の成果を出すと、経営者が一方的に賃率引き下げを行っていたからです。このように、経営者側に対抗して、組織ぐるみで行う怠業は組織的怠業と言います。工員は、賃率の引き下げを恐れてあえて働かなくなったのです。

 テイラーはこれに着目して、生産管理の方法が仕事量や作業量、道具などが過去の記録や工員などの勘によって場当たり的な判断を行う成行管理を廃止し、時間研究や動作研究により課業を科学的に決定することにしました。

 テイラーはそれを確立するために1.課業の明確な割り当て2.仕事の標準化、単純化、専門化3.成功に対する高賃金4.失敗による低賃金の4つの管理原則を提示しました。これに沿って達成度に応じた賃率を適用する差別的出来高制を考案し、組織的怠業を解決しようとしたのです。

 

 また、テイラーは組織改革も行いました。単に科学的に設定しただけでは、組織的怠業は解決しませんので課業管理を実施できる組織構造が必要になります。テイラーはこれについて、①計画部の設置②職能的職長制度③例外原理の3つを上げています。この3つについては簡単に説明を入れておこうと思います。

 

●計画部の設置

 時間研究や動作研究、課業の設定など分析的、計画的な仕事をこの部門に集中させました。そして、この計画部が作成した指図票に従って仕事をすることが工員たちには求められました。このように、管理機能を作業職能から分離したことはテイラーシステムの特徴と言えます。

 

●職能別職長制度

 今まで1人の職長が指示・命令などの管理機能を行う万能的職長制度から職長の仕事を職能ごとに分化した職能別職長制度を提唱しました。これにより、職長の仕事は軽減され職能ごとの職長の養成や確保は出来るようになりましたが、総合的に管理できる管理者の養成が難しくなってしまったため、あまり普及しませんでした。

 

●例外原理

 例外原理とは、簡単に言ってしまえば基本的なものや原則的なものは出来るだけ下位に権限を委譲して、例外的なものなどについてのみ上級管理者の決裁を仰ぐ方法です。これによって、上級管理者は本来の活動に集中出来るようになります。

 

 テイラーの考案した科学的管理法はこんな感じです。ちなみに、この科学的管理法は弁護士のブランダイスによって命名された見たいですね。このテイラーの管理法は課業を中心に考えているので課業管理とも呼ばれています。

 この管理方法はロボットのように指示通りの課業をこなすことが求められていると点から機械人モデルと言われています。機械人モデルは人間性の配慮に欠けていることを後々指摘されてしまいます。

 

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参考文献

・経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

・某大手専門学校会計士テキスト

・某大手通信教育中小企業診断士テキスト

代表的な3つの組織形態

経営をするには1人で全てをするよりも、作業を複数人で分けて行った方が効率が良かったりしますよね。これを「分業」と言います。しかし、違う作業をやっていては、それぞれを把握できなくなり、逆に効率が悪くなる可能性があると思います。このような状態を解決するために調整しなければなりません。このような調整をすることを「協業」と言います。そして、この2つが作る形態が「組織構造」とか「組織形態」と言います。
今回は、その代表的な3つの組織形態を紹介していきたいと思います。

①ライン組織
ライン組織は1人の上司から命令を受けるようなものを言います。ライン組織の編成原理は「命令一元化の原則」と、管理できる人の人数には限界があるというような「監督範囲の適正化の原則」というものです。この原理にもとづき、組織は規模が大きくなるにつれて階層化されて、ピラミッド型の階層になります。これは、軍隊組織とも呼ばれるみたいです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、イメージ的に言えばこんな感じです。この形態のメリットどデメリットも書いておきます。

メリット
命令が統一しているので、混乱が少ないということ。活動の調整が簡単であること。権限と責任が明確であること。規律や秩序が維持されやすいということがあります。

デメリット
見ても分かる通り、管理者の負担が増大します。また、管理者の育成が難しいこと。意思決定が遅くなってしまうこと。縦のコミニュケーションはとれるが、横とのコミニュケーションが取りにくいため、情報の共有が難しくなってしまいます。

②ファンクショナル組織
複数の管理者が部下に対してそれぞれ異質な業務について、指示・命令をして組織運営する形態をとるものを言います。この時の管理者の持っている権限は、「ファンクショナル権限」といって、自分の専門のことについてのみ、部下に指示をするものです。

ちょっと、図が見にくい気もしますが、ファンクショナル組織はこんな感じです。これも、メリット・デメリットを書いていきます。

メリット
この形態では、専門の人がそれぞれ指示できるので専門能力の活用とその育成ができます。また、1人の上司ではなく、多数の上司が指示をするので、管理者の負担を軽減できます。他にも、多数の上司から仕事を受けるので管理者の育成が簡単になり、情報の伝達や共有がしやすくなります。

デメリット
多数の上司から指示を受けるので、命令の統一が難しく、混乱を招きやすくなったり、規律や秩序が維持されにくなってしまいます。また、活動の調整が難しく、多数の上司の指示を受けるため、権限と責任があいまいになってしまいます。

③ライン・アンド・スタッフ組織
ライン・アンド・スタッフ組織は、ライン組織とファンクショナル組織の良いとこどりをしたような組織です。

これも、分かりにくくなってしまっていますね。実線がライン権限である指示・命令を表しており、点線がスタッフ権限であり、助言やサービスをすることを表しています。したがって、実線はトップとラインからしか出ていないことが分かると思います。そして、点線はスタッフ部門しかでていません。この組織形態のメリット・デメリットも書いておきたいと思います。

メリット
ファンクショナル組織の弱点である命令一元化の組織原理が貫徹し、経営方針の統一性や組織的秩序が保持することができます。また。それぞれの部門が専門化によるメリットつまり能率の向上や専門的知識の深化によって組織に蓄えられている知的財産が増大し、競争優位を確保できます。

デメリット
ラインとスタッフの権限・責任関係がうまく調整されないと組織としての統一性に支障をきたす恐れがある。また、企業規模が拡大し、業務が複雑になり、事業部門が多岐にわたってくると規則を作り、組織的に統一性を保とうとするあまり組織は硬直化し、官僚的になってしまい、柔軟に欠ける事態となってしまいます。

企業組織には、他にも色々な形態があります。それは、また次回書いていこうと思っています。この3つの形態は本当に基礎です。まぁ、図も見にくくなってしまったし、ちょと分かりにくいかもしれません。でも、なんかの助けになれば良いと思うし、なによりも、ちょっとしたリハビリ的に書いているので今回はこんな感じになってしまいました。

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参考文
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

株式会社について

 会社の種類の時に書いた時に株式会社について別に書くと書いたので書いていきたいと思います。


 まず、株式と聞いて最初に思い思いつくのは株式会社だと思います。違う人もいるとは思いますが、僕はそうですね。学校の授業での定義では「均等に細分化された割合的単位の形をとる株式会社の社員たる地位をいう。」です。これが、理解できるなら株式がどのようなものか理解していると思います。まぁ、こんな定義とか難いことをいってもしょうがないので株式はどんなものかを僕なりに書いていきたいと思います。


 今の企業の大半は株式会社です。有限会社は2006年に廃止されたため2006年以降の会社は株式会社となっていると思います。ただ、特例としてもともと有限会社であった会社は今でも有限会社と名乗ることができているのです。だから、今の企業はほとんど株式があるいえば、あると思います。ただ、株式を上場しない限り一般的なイメージの株式とはならないということです。


 そもそも、株式をもっているとどんなことができるかというと、①剰余金の配当を受ける権利、②残余財産の分配を受ける権利、③株主総会における議決権の3つが会社法105条に書かれています。ただし、優先株や劣後株などの条件付きの種類株式を発行することもできます。今では、株主優待が重視して買う人もいるみたいですね。
 普通の人は会社を乗っ取ろうとして株を購入する人はほとんどいないでしょう。たぶん、多くの人は株の配当や株主優待が目的だと思います。次に多いのが株の売買で利益を得ようとする人でしょう。株の売買で利益を得ようとして株式を保有する人のことを投資家だけではなく、投機家といったりすることもあります。


 ちょっとうんちく的な話になるんですが、初めての株式会社はオランダの東インド会社という会社らしいです。貿易を中心とした事業なのでそれなりのリスクはあります、そして、大規模な事業をするにはかなり大きなお金がかかりますが、銀行から借りた場合、その事業が失敗した場合でも、出資者は銀行にお金を返さなければなりません。そうなると、やはり大規模な事業をやるのはリスクが高くなりすぎてできません。そこで生まれたのが株式会社のあの仕組みらしいです。出資者は、事業が成功した場合はその出資した金額によって報酬が受け取れます。また、その事業が失敗した場合は出資した金額がなくなるだけで、借金を負うことはありません。当時の人はこんなことを考えて株式会社の仕組みが生まれたらしいです。今では当たり前ですけど、こんなことを良く考えたなとおもいます。


 もしかしたら、今回、趣旨がずれているかもしれません。そして、もしかしたら株式についても、いまいち分からないかもしれません。そしたら、ごめんなさい。そして、今回は大学の授業の内容が多いので参考文献自体があまりにもマニアックなものなので書きません。

人間関係論

人間関係論はホーソン実験にかなり関係しています。ホーソン実験に関しても書いてあるので興味があったら読んでみてください。人間関係論とネットで調べると具体例が載っていることが多いと思います。ホーソン実験とかそうではないでしょうか。ただ、ここでは、なんとなくの流れを書いています。なぜかって言われたら、本がそんな感じだからです。

人間関係論はホーソン実験に関わったメイヨーが根本的理念を確立しました。メイヨーは個人の増加や集団間の対立という社会的解体の兆候の原因を、技術的技能に対する社会的技能の立ち後れに求め、自発的な協働関係を確保するためには社会的技能を発展させて両技能のバランスを回復させる必要があるとしました。
そして、レスリスバーガーがメイヨーが示した人間関係論の理論と、パレードの社会システムの概念を用いて人間関係論の理論的枠組みを確立しました。レスリスバーガーは技術的組織と人間組織に分け、さらに、人間組織を公式組織と非公式組織に分けました。公式組織と非公式組織は相互依存関係にあるにも関わらず、今までの研究では公式組織しか重要視しませんでした。この非公式組織の存在と重要性を指摘ことは人間関係論に大きな功績でした。

これらの理論的結果を踏まえて多くの実践的な人間関係管理の手法を生み出しました。ところが、手法的側面が強調された結果、本来の理念が見失われてしまった感があり、人間関係論は経営者的偏向を示しているとか、労働者操縦論であると批判を受けることになりました。また、人間行動における非論理的・感情的な側面を一面的に強調しているとか、社会経済的基盤を無視しているとか、方法論的厳密さにかけているなどの批判もあります。さらに、満足な労働者=生産的な労働者という根本的な批判もある。このような批判を踏まえて近代管理論や行動科学的管理論が展開されることになります。

アルバイトの経験で言うのもなんですが、最初にやったアルバイト先では、話せる人はいないし正直つまらない職場でしたね。従業員同士の意思の疎通ができていなく、言われたものをやったら怒られるというそんな感じの職場でした。モチベーションも上がらず、共有できる人もいない。精神的にまいってしまったのですぐ辞めてしまいましたね。でも、次のアルバイト先は前のと比べると180度違う職場でしたね。部門の垣根を越えて色々な人とお話させていただいたのを覚えています。後者のアルバイトはかなり続きました。
僕個人としては、この経験があるので、なんとなく身に染みて人間関係論の重要さがよくわかります。後者のアルバイトはここでいう、非公式組織によって楽しくできましたね。

そういえば、人間関係論の批判に「満足な労働者=生産的な労働者」というものがありましたが、自分が経営者の立場であったらそのように思うのは当然ではないかと思いますね。だからこそ、どのようにして労働者のモチベーションを維持するのかが大事なのだと思います。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

ホーソン実験

ホーソンとは1924年から1932年にウエスタン・エレトニック社のホーソン工場で行われた労働者の作業能率とそれに影響を及ぼす物理的な作業条件との関係を明らかにするために行われた調査と実験です。このホーソン実験はその後、人間関係論として展開されました。

・照明実験
最初は照明度と個人の作業能率の関係を調べるために始められました。この実験では、予想と反して作業能率と照明度は関係なく作業能率が上昇しました。他の条件にしても、結果は同じになり、条件を実験前の条件に戻しても作業能率は維持されるという結果がでました。この予想外の結果の現象を調べるために、メーヨーやレスリスバーガーらのハーバード大学の研究陣が実験に加わることになりました。

・継電器組み立て実験
6人の女子工員を対象に各種の物理的作業条件と作業能率の関係を調べましたが、やはり作業能率は条件の変化と関係なく上昇しました。そこでメイヨーは、①作業中の自由な会話が許されたことにより心理的な満足が生じた。②実験に協力しているとという参画意識が生まれた。③自発的グループが発生したことにより会社に対する協力的な態度が生まれた。というように考えました。

・面接計画
監督方法の改善を意図して21,126人の従業員に対し面接を行い、彼らの不平・不満について分析を行いました。その結果、従業員の態度は感情の体系によって支配されており、これらは個人的経歴や社会的組織を通じて形成され、表現されるので、彼らの態度を理解するためには集団的・社会的な全体状況の中でとらえなければならない、ということが明らかになりました。

・バンク配線作業観察
14人の男子従業員を対象うにした観察調査の結果、組織には公式な組織の他に自生的な非公式組織が存在し、これが規範とは別の集団的規範をメンバーに課しており、彼らはその集団規範に従って生産高の抑制をしていることが分かりました。

このホーソン実験にもし自分が関わっていたら、確かに、環境とか関係なく頑張ってしまうと思います。なによりも、この実験に選ばれたことで頑張ってしまいそうですね。
非公式組織(インフォーマル・グループ)も自然とできてしまうし、それは、けっこう強い影響力があります。身近なところにも、たくさんあると思います。。ちょっと分かりにくいかもしれないので、簡単な例を書きますと、学校とかで、自然とグループができていると思いますが、それが非公式組織(インフォーマル・グループ)です。そこには、誰かしらリーダー的な存在の人がいると思います。こういう人をインフォーマル・リーダーといったりします。意外と、こういうリーダーの影響力は大きいんですよね。僕の周りはそうでした。ちなみに、公式組織は先ほど学校を例にしたので学校で例を出すと、グループはクラス全体でリーダーは先生みたいな感じです。会社で考えるのであれば、課とか部とかが分かりやすいと思います。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<1>経営学の基本』(中央経済社)

モチベーション(マズローとハーズバーグ)

今回はマズローについて書いていこうと思います。マズローはアメリカの心理学者なので心理学で見かけることが多いと思います。私自信は中学生か高校生の時に保健体育の教科書で初めて見たような気がします。名前と下記の図なら見たことがあると思います。

マズローの欲求階層理論というのは、低次の欲求が満たされると高次の欲求が現れるというものです。図の言葉を使って例にすると、生理的欲求が満たされると安全欲求が現れるということです。この低次の欲求は欠乏欲求といい、高次の欲求は成長欲求といいます。この欲求階層は上の高次の欲求に行くだけで低次の欲求に行くことはありません。いったん満たされた欲求は、欲求ではなくなり、再び欲求になることもないのです。このことを「欲求の不可逆性」といったりします。

では、経営学ではこのマズローの欲求階層をどのように使っているかです。このマズローの欲求階層はモチベーション管理に使われています。モチベーションとはかなり簡単にいえば、「やる気」です。このマズローの欲求階層は経営学的にいえば、下記の図のようになります。

下の2つは簡単に分かると思います。正社員になった場合、賃金・労働条件が悪かったり、身分保障・福利厚生がちゃんとしていない会社では働く気がなくなると思います。いわゆるブラック企業のレッテルが張られていそうな会社ですね。帰属意識や人間関係も重要です。分かる人には分かると思いますが、クッキングパパの会社みたいなところは人間関係が良い会社でやる気がでると思います。逆に、人間関係の悪い会社は嫌だと思います。私が聞いた話なのですが、ある会社は、とある支店に配属されると辞めてしまう人が多いらしいです。その原因がかなり人間関係が悪いみたいです。この話を聞いた時に、やっぱり人間関係も重要なのだと感じました。これより上は純粋な動機づけであるといえます。純粋な動機づけという表現だけ聞くと違和感があると思いますが、これはハーズバーグの2要因理論でちょっと説明しようと思います。

ハーズバーグの2要因理論というのは、仕事に対して不満となる要因と仕事に対して積極的になる要因は異なるというものです。仕事に対して積極的になる要因は、仕事そのもの、達成、承認、成長があります。これは、仕事に直接的に動機づけに関係することから「動機づけ要因」といわれています。ちなみに、動機づけ要因はマズローの階層欲求の上2つと関係しているといえます。また、仕事に対して不満となる要因は、人間関係、給与、作業条件、環境などがあります。これらは直接的に動機づけしないので「衛生要因」といわれています。ちなみに、衛生要因はマズローの階層欲求の下から3つになると思います。ハーズバーグの2要因理論は「動機づけー衛生理論」とも呼ばれています。
この2要因理論を考えて、先ほど経営学的なマズローの図の下で書いたことを考えると、それらが衛生要因のことであるというのが分かると思います。

会社がモチベーション管理をする場合、ハーズバーグの2要因理論を意識して作らなければ、ダメそうですね。考えてみれば、給料が低いまま昇進や昇格しても嬉しいと思う人は少ないと思います。いわゆる、名ばかり管理職ってやつですね。

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参考文献
経営能力開発センター編『経営学検定試験公式テキスト<5>人的資源管理』(中央経済社)
伊丹敬之・加護野忠男著『ゼミナール経営学入門』(日本経済新聞社)