為替と輸出入

先日、大学時代の友達と為替と輸出、輸入の関係の話になって、ちょっと上手く説明できなかったのでこれをテーマに書いていこうと思います。
まず最初に円高と円安について書いておきます。初めてやるとちょっと分からなくなってしまいますが、私なりの解釈を書いておきます。

円安と円高というのは、基準となるものと比較してその価値が高くなったか、安くなったかを考えるものになります。よく為替で出てくる基準となるものはドルですね。ここでも、ドルを基準で考えていきますが、円安か円高を判断するには基準と比較して考えます。仮に、ここでは1ドル=100円を基準として書いてきましょう。

円高→1ドルが100円未満になったケースです。例えば、1ドル札を100円玉を交換するとき1ドル=100円ならば普通に交換できます。しかし、1ドル=90円のように100円未満になると、1ドル札と100円玉を交換するときに1ドルが90円で交換できますので10円のお釣りがくるようになります。つまり、このケースだと10円分、円の価値が高くなったことになります。これが円高です。

円安→1ドルが100円より高くなったケースです。今度は1ドルが110円になった時の話です。1ドル札と100円玉を交換しようとしても1ドルの価値は110円となっていますので、交換できません。10円不足しているからです。10円不足しているってことは100円の価値が1ドルと比べて安くなってしまっているということになります。これが円安です。

円安と円高をざっくりと復習したところで、本題に入っていきましょう。ちなみに、ここで書くのは本当に基礎的なことで深いところは書きません。あくまでも、円高・円安になったら輸出入はどのような影響があるのかってことを書いていきたいと思います。深く書いてしまうと、金利とか物価とか株価とかその辺まで書かないといけなくなるからです。レベル的に言えば中学とか高校レベルかもしれませんね。ただ、需要(どれくらい求められているか)というのはちょっと絡んできますので、なんとなく頭に入れておいてください。

なお。ここでは、円高・円安で分けてかくのではなく、輸出をしている会社と輸入をしている会社で分けて書いていきたいと思います。また。例で出している金額はどんなとらえ方をしてもかまいませんが、個人的には合計で支払う金額という意味で書いています。

〇輸出をしている会社
●円高
輸出をしている会社は、例えば自分が作ったものや日本で仕入れたものを海外に売っています。その時に、円ではなく、ドルでやりとりします。例えば、10万ドルの売上があった場合、1ドル=100円ならば日本円で1千万円の売上になります。しかし、この時1ドル=100円だったものが1ドル=90円になってしまうと、1千万円だったはずの売上900万円になってしまいますよね。だからと言って、その分を値上げをしようとすると、需要が減ってしまうことになりますし、他の仕入先を探しはじめたりします。この需要が減ってしまうのは感覚的に分かると思います。誰だって、値上がったら買うのを控えると思いますからね。だから、円高になってしまうと輸出をしている会社はマイナスの影響を受けてしまいます。

●円安
今度は円安についてです。円安になると、円高の時と逆になるので、1ドルが110円になると10万ドルの売上があった場合、1千万円の売上だったのが円安になったことで1.1千万円の売上になります。そうなると売上が100万円増えることになりますし、さらには相手国にとっては安くなりますので需要も増える可能性もあります。したがって、輸出をしている会社にとってはプラスの影響がありますね。

〇輸入をしている会社
●円高
次は、輸入している会社について考えてみます。輸入をしている会社は海外から商品などを仕入れてそれを販売したりしている会社ですね。今度は10万ドルの商品を仕入れたとします。1ドル=100円だった場合、1千万円支払うことになります。ではこの時に1ドル=90円になったらどうでしょうか。1千万円で仕入れていた商品が900万円になります。そうなると、実質100万円プラスになります。そして、これをお客様に還元するという意味で「円高還元セール」なんて良くやってますよね。そうすると、安くなったことで需要が増えます。このように考えると輸入をしている会社はプラスになります。

●円安
では、円安の時はどうでしょうか。1ドル=100円が1ドル=110円になってしまうと、今度は1千万円で仕入れていた商品が1.1千円になってしまいます。同じ商品なのに100万円も多く払わなくてはいけなくなります。だからと言って、値上げしてお客様に負担させるようになれば、今度は需要が低下する可能性が高く、なかなか大きな値上げはできません。したがって、円安はマイナスの影響がとても大きいですね。

為替と輸出入について、自分なりに簡単に説明するならばこんな感じでしょうか。もっと詳しくやるのであれば、為替の決定要因や価格設定についてなど、経済学的な勉強が必要になってきます。また、このような為替のリスクにそなえるために、デリバティブ取引を行いリスクヘッジをするというようなこともあります。デリバティブについては書いてあるので興味があれば読んでみてください。

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参考文献
・仲俣汐里・菅下清廣著『AKB48でもわかる経済の教科書』(青志社)
・藤田康範著『よくわかる経済と経済理論』(学陽書房)

先物取引の基礎(つめかえし取引)

前回のブログからだいぶ時間が経ってしまいましたが、今回は前回の続き的なもので先物取引について書いていきたいと思います。

先物取引とは「ある物(原資産)を将来のある日(期日・限月)にあらかじめ決められた価格(先物価格)で売る・買う約束」の事です。オプション取引と大きく異なる点は先物取引は権利ではなく義務ということでしたね。

○つめかえし取引

デリバティブの基礎について書いた時に「つめかえし取引」について解説すると書きました。その理由は先物取引を理解するには今の金融取引における先物取引を解説よりも堂島米会所で行われた「つめかえし取引」を理解した方が先物取引の本質を見る事ができると思うからです。

では、そもそもなぜつめかえし取引は生まれたのでしょうか。

当時の米は貨幣と同じ役割を持っており、重要な流通市場でした。市場が小さい時は米俵で取引をしていましたが、市場が大きくなるにつれて現物でのやり取りは大変になり、そこで「米手形」を発行することにしました。この米手形というのは「この米をいくらで交換できる」ということが記載され、証券としての性質をもっていました。

しかし、ここで1つ問題が起きました。価格の変動です。分かりやすいように現代風に書いてしまいますが、例えば、ある米を今日の相場で5キロ1,000円の米手形を買ったとします。しかし、実際に現物を取引する日の相場は5キロ800円でした。となると、200円損してしまいます。5キロ1,500円になれば得もしますが、もし、5キロ500円になればさらに損をしてしまいます。また、取引額が大きくなればなるほどさらに損失は膨らんでしまいます。

そこで、損をしないためにはどうすれば良いかと考え、編み出されたのが「つめかえし取引」です。

それでは、つめかえし取引とはどのようなものかを解説していきたいと思います。つめかえし取引は現物の取引がない契約取引です。内容としては、「米手形を今日の相場で売ったのと同時に、その米手形を米手形の取引日の相場で買い戻します。」というものです。言葉だけでは分かりづらいと思うので、実際に数値に当てはめてみましょう。前提条件として契約時の仕入価格が800円、市場価格が1,000円というケースで考えてみたいと思います。

・取引日の価格が1,500円の場合

まずは、取引日の価格が上がったケースで考えて行きます。下の図は実際の取引とつめかえし取引を行った場合について簡単に書いたものです。

実際の取引は800円で仕入れたものを取引日の1,500円で販売したので700円の利益があります。しかし、つめかえし取引の方を見てみると契約時の価格は1,000円なので1,000円は資金的には収入となりますが、取引日の価格で買い戻す契約をしているので1,500円の出費になってしまいます。そうなると、結果的に500円損をしてしまいます。せっかく700円の利益がでたのにつめかえし取引をやったことで利益が200となってしまいました。損をしないための仕組みが、実質的に500円の損を生んでしまっていることになります。

では、なぜこんな取引をするのか。次に取引日価格が500円に下がった場合について見ていきます。

・取引日の価格が500円の場合

先ほどは取引日の価格が上がった場合についてみました。次は取引日の価格が下がった場合について見ていきたいと思います。こちらも図を見ながら簡単に見ていきます。

取引日の価格が下がった場合、見て分かる通り300円の損をしてしまいます。しかし、つめかえし取引を見てみると、契約時に1,000円で売る約束をしているので1,000円の収入があります。取引日の価格で買い戻す契約をしていても500円の利益が生まれることになります。したがって、結果的にはさきほどと同じ200円の利益がでます。

2つのケースを見て分かるように、つめかえし取引は大きな利益がでない代わりに大きな損もしなくなることで安定した利益を生むことができるようになるわけです。

このように、先物取引はもともとリスクヘッジの仕組みとして出来たものだと考えられますね。江戸時代にこんな仕組みがあったというか、こんな仕組みを考えた昔の人ってすごいですよね。

ちょっと先物取引について歴史的な部分について書いてみましたが、最近では金融における先物のイメージの方が強いですよね。先物取引はリスクヘッジで損をしないための仕組みでしたが、先物取引で大きな損をしている人もいます。でもそれは金融における先物で投資として行っている場合です。

金融における先物は「先物とは、ある物を将来のある日にあらかじめ決められた価格で売る(買う)約束」という定義に加えて①取引所で行い、②反対売買することができ、③差金決済を行うもので、④証拠金を差し入れる必要があるものです。また、特徴として日々の値洗いをするというものもあります。日々の値洗いとは、簡単に行ってしまえば、毎日時価評価をして差益を確定するものです。そして、値洗いによって確定した損益は証拠金により差金決済されます。そして最終的には反対売買することで取引を終わらせることができ、利益を確定させることができます。

金融における先物は、このような仕組みになっているので先物取引の定義にプラスして4つの条件が必要になってくるわけです。

金融における先物取引は最後にざっと書いてしまいましたが、先物取引の根本は書いたつもりです。先物は久しぶりに触れた内容だったので改めて理解し直したって感じでしたね。もっと金融における先物についてやりたい人は、このブログを読んでから他の解説のサイトなどに行くと良いかもしれませんね。個人的には、ドットコモディディがオススメです。

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参考
大学の授業
ドットコモディディ
先物新報
日本ユニコム

デリバティブ②(オプションの基礎)

今回はオプションについて書いていきます。前回、オプションの歴史についてちょっと書いておいたので、それとなくイメージが出来ていることを前提に書いていきます。私のブログではデリバティブ①の時にも書いたように初歩の初歩程度のレベルなので、オプションを組み合わせた投資戦略(ストラドルとかストラングルとかこのようなもの)については要望がない限り書きません。私が書く場合、表と図を大量に作らないといけなくなりそうだからです。

さて、オプションの定義は「ある将来の日に、あらかじめ約束した値段でモノを買う(売る)ことのできる権利」(大学の講義より)と書きました。この定義の意味も含めてまずはオプションの用語についてちょっと解説したあとコール・オプションとプット・オプションについて書いていきます。

○オプションの用語

用語に関しては、読んで行くうちにちゃんと理解できると思うので、ここではざっと箇条書きにします。出てこない用語もありますが、その辺は特別に解説しなくても分かると思います。

・期日(限月)→定義でいう「ある将来の日」のこと

・行使価格(ストライクプライス)→定義でいう「あらかじめ約束した値段」のこと

・プレミアム→簡単に言えば、権利に対する手付金のこと

・コール・オプション→買うことのできる権利

・プット・オプション→売ることのできる権利

・強気→価値が上がると考えていること

・弱気→価値が下がると考えていること

・アット・ザ・マネー(ATM)→権利を使っても使わなくても良い状態

・アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)→権利を使わない状態

・イン・ザ・マネー(ITM)→権利を使う状態

・ヨーロピアン→期日の1日のみ行使できるというもの

・アメリカン→期日までの間、いつでも行使できるというもの

・上場オプション→取引所などの大きいところでやるもの

・個別オプション→銀行等と1対1でやるもの

・ペイオフ→簡単に言えばお金の出入り

ざっと書けば、こんな感じでしょう。「ペイオフって、預金保険制度のことじゃね?」と、思う人もいますが、用語って分野によって意味が変わることが多いので、「オプションでの」って事で割り切ってください。

先に書いておきますが、説明するときに表があります。その表の中に「×」「〇」「△」があります。これを見るときに「×」がアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)で、「〇」がイン・ザ・マネー(ITM)、そして「△」がアウト・ザ・マネー(ATM)となっているのでちょっと意識すると良いかもしれません。

○オプションの基本的な考え方

①コール・オプション

コール・オプションは、プレミアムを支払い買う権利を得た状態です。期日を1か月後でプレミアムを100円として、簡単に言ってしまえば「価値がどうなるか分からないけど、100円払っておくから1か月後に1000円で買わせてね」って感じです。
コール・オプションをどのように考えるかを分かりやすくするために例を出したいと思います。行使価格が1,000円でプレミアムが100円のコール・オプションを買った場合を考えます。そして、期日の株価も含めて以下の表にまとめました。

文章だけでは分かりにくいと思いますし、色んな本にも似たようなグラフがあるので、上の表を基にグラフを作り、解説していこうと思います。グラフの見方としては、縦軸がペイオフで横軸が期日の株価です。

まず、期日のペイオフについて上のグラフを見ながら解説していきます。期日のペイオフは株価が上がると当然ですがペイオフが上がります。株価が200円上がればペイオフは+200円ですし、株価が400円上がればペイオフは+400です。1,000円以下が何もないのは、権利を行使しなければペイオフは何も変わらないからです。

でも、オプションは権利をプレミアムを支払って買うので、もちろん最初のペイオフはマイナスになります。ここでは、プレミアムが100円としているので、今日だけのペイオフを見ると下のグラフのようになります。

そして、期日のペイオフと今日のペイオフを総合すると下のようなグラフになります。

総合すると、期日のグラフから全体的に100円マイナスになる感じです。このグラフから分かるコール・オプションの特徴は、いくら株価が下がったとしても、権利を買っただけなので、プレミアム以上の損はしなくなるというところにあると考えられます。ちなみに、用語のところでも書きましたが、上のような図のように右上がりになる、つまり、株価が将来的に上がると考えることを「強気」って言います。

コール・オプションを買う人もいれば、もちろん売る人もいます。なので、売る側についても書いていきたいと思います。頭が良い人は、コール・オプションを買った時の逆にだなって考えれば良いと思いますが、私はそういう頭はしていません。

それでは、見て行きましょう。コール・オプションで使った表をコール・オプションを売る側の視点でちょっと変えたものを使います。

コール・オプションを売った場合で、買った場合と大きく異なることは、権利を利用するかどうかは相手が決めることになります。上の表でも、「相手のオプション利用」としています。売った方は相手が利用すると言ったら拒否ができません。

売る側のグラフについても見てみます。コール・オプションと比較しながら見ると良いかもしれませんね。まず、期日のペイオフは下のようになります。

見て分かるように、権利を買ったときとは逆に右下がりになります。ちなみに、1000円以下がないのは、1000円以下であると相手側が損をしてしまうので権利を行使することがないからです。また、権利を売る側はプレミアムをもらうことになるので今日のペイオフは下のようにプラスになります。

そして、期日のペイオフと今日のペイオフをコール・オプションの時と同じようにまとめると下のようになります。

総合ペイオフを見ると、プラスになるペイオフは上限が+100円になります。そして、株価が上がれば上がるほど、限りなくマイナスになってしまうことが特徴です。そんなリスクをしてどのような人が売るのかを考えると、株価が下がると考えている人です。プレミアムは確実にもらうことができるので、株価が行使価格以下ならばペイオフはプラスになります。ちなみに、用語のところでも書きましたが、このように株価が下がると考えていることを「弱気」って言います。

②プット・オプション
プット・オプションは売る権利を手に入れることです。こちらも期日を1か月後でプレミアム100円として簡単に言ってしまうと「価値はどうなるか分からないけど、100円払っておくから1000円で買ってね」って感じです。
プット・オプションに関してもコール・オプションと同じように表とグラフを見ながら解説していきたいと思います。例として、行使価格が1,000円でプレミアムが100円のプット・オプションを買った場合について考えます。そして、期日の株価を含めて以下の表にまとめました。

下のグラフから分かるようにプット・オプションは売る権利なので、値段が下がれば下がるほどペイオフがプラスになります。また、1000円以上のペイオフが変わらないのは権利を行使してしまうと損するため、普通は権利を行使しないからです。

プット・オプションを買うときもコール・オプションを買うときと同様にプレミアムを払うことになるので、最初のペイオフはマイナスになります。下のグラフを見て分かるように、コール・オプションのときと全く同じグラフになりますね。

そして、この2つを総合すると下のようになりますね。

こちらも、プレミアムを支払うので全体的に100円マイナスになります。このグラフをみると、株価が下がれば下がるほどペイオフ自体はプラスになりますが、良く良く考えてみると実質的な利益にならないということもあるということです。でも、基本的な考え方を学ぶだけならば株価が下がれば下がるほどプラスになるという解釈でも良いかもしれませんね。

プット・オプションに関しても、売る側についても見てみましょう。コール・オプションの時と同じように売り側の表を作ると下のようになります。

プット・オプションを売るとなると、期日のペイオフは下のようになります。

そして、プレミアムをもらうので最初のペイオフは+100円となります。

これも総合すると下の図のようになります。

プット・オプションの売る側もコール・オプションのときと同じで権利を使うのは相手です。ですから、相手が権利を行使すると言うと拒否はできません。売る側は基本的にプレミアムでペイオフをプラスにするので、プット・オプションだと株価が下がれば下がるほど、行使価格で買わなければならないのでペイオフは限りなくマイナスになってしまいます。

オプションの基礎についてはこのような感じです。この考え方を応用して色々な組み合わせを投資戦略をしていきます。デリバティブはあまりなじみがないと思うので、最初の基礎として導入として使ってもらえると幸いです。分かりにくいところは、コメントでもしてくれればちゃんと答えようと思っています。

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今回は、ほとんど授業を参考にしています。簡単に勉強してみたいと言う人は、専門書を買ってもいいと思いますが、証券外務員の1種のテキストを買うのも手かもしれませんね。

デリバティブ①(起源について)

 友人からのリクエストもあり、デリバティブについて書いていきたいと思います。デリバティブについてはまとめて書くと、大変な文字数になってしまうと考えられるので、分割してちょっとずつ書いていきたいと思います。また、ここではデリバティブについては基本的な事というか、初歩の初歩程度のレベルなので、あまり期待しないでください。導入には良いかもしれませんが、本気で勉強したい人は詳しく解説しているHPや本があるのでそっちをやった方が良いと思います。ちなみに、完全に私事ですが大学の講義で学んだのがオプションと先物なのでこの2つを中心に書いていこうと思っています。

 

今回は、そもそもデリバティブって何なのかってことを分かりやすいように歴史について書いていきます。

 

①オプション

 歴史を見る前に、定義を知っていた方が分かりやすいと思うので先に定義を書いておきます。オプションの定義は「ある将来の日に、あらかじめ約束した値段でモノを買う(売る)ことのできる権利である」(大学の講義より)です。これを意識しながら歴史について見てみようと思います。

オプションの歴史はB.C.600年ごろのターレスという哲学者のオリーブの話が最初だと言われています。ターレスは貧乏だったため「哲学は何にも役に立たない」と非難されていました。そこで、ターレスは天文学を利用して次の年のオリーブが豊作になることを予想して、オリーブ搾油機をあらかじめ多くの所からオリーブ搾油機が必要になる時期に値段を決め借りる権利を買っておきました。そして、予想通りオリーブが豊作になるとオリーブ搾油機の需要が拡大し、貸出料高くなります。ターレスは事前に約束された値段で借りることができ、それを借り入れた金額よりも高い金額で貸し出すことで莫大な利益をあげ、金持ちになることが簡単であることを証明しつつ、金持ちになることに関心がないことを示した話です。

これをオプションに定義にあてはめて考えると、まず、「ある将来の日に、」というのはオリーブ搾油機が必要になる時ですね。そして「あらかじめ約束した値段でモノを買う(売る)ことのできる権利」というのは「買う」となっていますが、これは借りる権利でも当てはまると考えられるので、豊作かどうかわからない時に借りる値段を決めて、その値段で借りる権利を買っているところに当てはまると考えられます。

こう考えてみると、ちゃんと定義に当てはまっているので、最初のオプション取引なんて言われています。オプションに関しては、16世紀のチューリップの話も有名ですが、例なんて1個あれば大丈夫だと思っているので、書きません。気になる人は調べてみると面白いかもしれませんね。

 

 

②先物

 先物についても、最初に定義を書いておきたいと思います。先物の定義は「あるモノを、将来のある日に、あらかじめ決められた価格で買う(売る)約束」(大学の講義より)というものです。

 先物取引の起源は、日本にあります。1531年にベルギーで行われていたと言われていますが、そこで行われたのは現物取引の先渡取引で、差金決済を含んだ先物取引については日本の大坂(阪)の堂島米会所が起源で、1730年代に徳川吉宗の命により大岡越前が米の先物市場(帳合米取引)を整備したと言われています。帳合米取引の事を先物市場とちょっと難しく言っていますが、簡単にいえば米の売買価格を収穫前にあらかじめ決める取引のことです。

この時の日本における経済の基盤は「米」です。そして米市場は重要な流通市場でした。市場が大きくなると米俵で取引していては大変だったと言うことで、「米手形」を発行したのですが、価格の変動が問題となったのです。米手形を発行した時と実際に米と引き換えるときの相場が異なってしまうので価格の変動の問題が起きました。この問題を解決するために考え出されたのが先物取引です。ここで考えだされた取引を「つめかえし取引」と言いますが、つめかえし取引に関しては、先物について書く時に解説していこうかと思います。

このように書くと、ちょっと分かりづらいですね。つめかえし取引を解説しないと掴めないかも知れません。とりあえず、簡単に言ってしまうと「将来どうなるか分からないけど、先に値段を決めちゃって取引しようぜ」って感じですかね。定義をみて考えるならば「あるモノを」って言うのが、米です。そして「将来のある日に」って言うのが実際に米と引き換える時で、「あらかじめ決められた価格で買う(売る)約束」というのが、米手形の値段と考えるのが良いと思います。

 

 さて、オプションと先物について歴史的なところを見てきましたが、もしかしたらオプションと先物の違いが良く分からない人がいると思います。そこで、ちょっとだけ補足をしておきます。とりあえず、ここでは買う側についてだけ書いておきます。売る側も一緒に書くとややこしくなるので今回はやめておきます。まぁ、そう思うのは私が馬鹿だからかもしれませんが・・・。

オプションは権利を買うだけなので、もし、その金額で買うと損をしてしまうならば、権利を捨てることができます。権利を買った時の費用分はマイナスになりますが、それ以上損をすることはありません。しかし、先物は決められた値段で将来買う約束です。つまり、絶対にその値段で取引しないといけなくなります。こうなると、下手したら損はいくらでも膨らんでしまいますね。このように、オプションは権利で、先物が義務というところに大きな違いがあると言えます。

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今回の内容は大学の講義を基にしている関係で参考文献はありません。

単利と複利

単利と複利って、正直ややこしくて2つの違いが良く分かりませんでした。そして、大学の授業を受けてようやく理解したので復習がてらちょっと書いていきたいと思います。

○単利
単利とは元本のみが利息を生むものです。例えば、1年の金利が5%で100万円を3年間預けた場合を考えます。

100×5%=5

です。単利ですと、元本のみに利息を生むのでこの5万円が1年の利息になり、この金額を3年間もらうことができます。つまり、

100+5+5+5=115 すなわち 100+5×3=115

となりますので、3年間100万円預けると115万円になるということです。ちなみに、一般的な式で表すと

F=P(1+rn)

になります。ちなみに、F(future)は将来の金額 P(principal,present)は元本 r(interest rate)は金利 nは年数となっています。括弧の中は元になった言葉らしいです。nは忘れました。話は戻りますが、この金額を例の数値で表すと

F=100(1+5%×3)

となりますの、F=115万円になるということです。

○複利
複利は元本のみならず利息にも利息を生むものです。ちょっとややこしいですね。また、先ほど出した、元本100万円、年利5%、期間3年でちょっと解説していこうと思います。複利では、1年ごとにもらえる利息が変化しますので、1年ごとに書いていきます。

1年目:100×5%=5
2年目:(100+5)×5%=5.25
3年目:(100+5+5.25)×5%=5.5125

と言うように、もらった利息を元本に足して、次の年には、その合計額に年利をかけることが単利との違いです。そうすると、

100+5+5.25+5.5125=115.7625

となるので、単利よりも複利の方が利息が多くもらえることになりますね。一応、これも一般的な式を書いておきます。

F=P(1+r)^n

となります。べき乗の表記方法は分からなかったので、「^」を使いましたが、意味は一緒のはずです。これもちょっと例で使った数値を当てはめてみると、

F=100(1+5%)^3

となりますので、F=115.7625 となりますね。複利はこんな感じです。だから、もし、なにかに投資を等をするときには、まず利率を確認してみたらいいかもしれませんね。そして、単利なのか複利なのかを確認して、複数の投資案があった場合、実際に計算してみると、本当に得するのはどっちかっていうのが分かると思います。利率的には単利の方が高いけど、実際計算してみたら、複利の方が得だったということはあると思います。

今回は単利と複利の違いを書いてみました。でも、この内容はネットを探すとたくさん出てくると思います。っというか、実際に検索してみたらたくさんありました。たぶん、このブログよりも分かりやすいところはたくさんあると思うので、分からないって言うのであれば、検索してみると良いと思います。
複利を計算するときは、電卓にちょっと良い機能が付いています。連続計算機能ってやつです。一応、使った例の数値でやった場合の電卓の打ち方でも書いておこうと思います。やっぱり、他のところじゃ書いてないことを書いとかないと見る価値ないですもんね。例で出した数値は、元本100万円、年利5%、期間が3年間です。

・CASIOの場合
まずは括弧の中の 1+5% をやります。つまり 1.05 ですね。この数字が出てきたら、「X」のボタンを2回押してください。そうすると、ディスプレイの中に「K」の文字が出てくると思います。そしたら、期間から1を引いた分だけ「=」を押してください。今回の例ですと3年で1を引くので2回押すことになります。その出てきた答えに、元本である 100 をかけてみてください。そうすれば、簡単に複利で将来もらえる金額が出てくるはずです。ちなみに、1を引く理由ですが、1.05がディスプレイに出ているということは、電卓の性質上ディスプレイに出ている数字にかけることになるので、「=」を押すと 1.05×1.05 となるからです。したがって、2回押すということは 1.05×1.05×1.05 つまり3乗になるわけです。

ちょっとややこしいかもしれませんが、CASIOの場合は「+」「-」「X」「÷」を2回押すことよって、その数値が記憶されます。例えば、A+B という式があった場合、Bの方に記憶されます。分かりやすい例をだすのであれば、割り算かもしれません。例えば、100という数値を「÷」ボタンを2回押して、1から順番に、1=、2=、というように押していくと、0,01、0.02となるとなると思います。つまり、A÷B の式でBに100が記憶されているということですね。ややこしいんで、ちゃんと分かるようにかけているか不安です・・・。

・その他の電卓の場合
CASIO以外の電卓ではちょっとやり方が違います。その他のメーカーのやり方は、1.05×1.05 と打った後に、「=」をボタンを押していけば、同じような結果が出るはずです。つまり、1.05×1.05== を打ってでた答えに100をかければ、例の答えが出ると思います。こっちの方が何乗しているか分かりやすくて良いかもしれませんね。こっちは、A+B=と打って、「=」を押す1個前の数値がBのところに記憶されます。また、割り算を例に出すと、1÷100= と打って、先ほどと同じように1から順番に、1=、2= と押していけば、0.01、0.02となっていくはずです。

連続計算はちょっとややこしいですが、使えるようになるとかなり便利な機能です。使っていれば、いずれ覚えると思います。特に日商簿記の原価計算なんかに使うとかなり時間の節約になるかもしれません。ここのブログじゃ分かりにくいって人は、他のサイトを参考にするのも良いと思います。まぁ、いえることは、習うより慣れろって感じです。

今回の内容は、大学の授業のないようなので、特に参考文献などはありません。本文の中にも書きましたが、この内容は色々な人が書いているので、詳しいことを知りたい人は、詳しいところを探してください。